メールをしても話が通じないケースも

同じ文章を送っても伝わる人、伝わりにくい人がいます。まずは、相手の理解に期待するよりも、自分の書き方を見直してみる。「相手の立場やキャラクターを少し意識する、想像するだけで、受け取り側の印象が大きく変わります」とコラムニストの尾藤克之さん。歴史上の人物でたとえながら、話をしてくれました。

もし、織田信長と徳川家康にメールで思いを伝えたいなら

文章を書くときに大切なのは、相手を想像すること。読み手の仕事やスタイルを意識して文章を書くことが大切です。

 

たとえばここに、戦国武将の織田信長タイプの人と徳川家康タイプの人がいたとしましょう。織田信長は即時即決と言われた人。徳川家康は、聞き役に徹することができる協調派と言われた人です。あなたは営業担当として、彼らにある商品を売ることになったとします。

 

織田信長にメールを書くときは、次のように書きます。

 

「当社の新商品は短期間で成果が出やすいことに特徴があります。御社のケースであれば、最短で3か月。遅くとも6か月あれば成果が実感できるはずです」

 

織田信長タイプの人に大切なのは、具体的な結果を伝えること。「当社のサービスを利用すれば、最短で3か月。遅くとも6か月には、必ず成果につながります」とはっきりと伝えることが大切です。

 

同じ内容を徳川家康に伝える場合、商品の性能の良さをアピールしつつ、周囲からの評判を盛り込んで伝えます。彼は、我慢強く、まわりの意見を重視します。

 

「当社のサービスを利用されたある企業の方は、従業員の作業効率が改善し、仕事がしやすくなったと大変喜んでおりました。ぜひ、他の企業の導入実績や評判を社内でも共有し、検討して、サービスご利用の可否をご検討ください」

 

この2人はまったくタイプが異なるため、訴求ポイントがおのずと変わってきます。

 

狙った相手にしっかりと届けたいのであれば、届ける相手ごとにアプローチの仕方、どんな内容のことを書くか、考えることが大切です。