── では、ベッキーさんのスイッチが入ってない瞬間ってあったのでしょうか?

 

ベッキーさん:
独身の頃は実家で暮らしていたので、家族だけがその状態を見てたのかな。

 

── その後はいかがですか?

 

ベッキーさん:
今は、何かあれば相談するようになりましたね。バラエティの話は旦那さんにはできないけど、ざっくりと今仕事でこんなことがあって落ち込んでいるとか、こういったことが上手くいかなかったとか、自分で抱えきれなくなると旦那さんに少し話したりします。

 

── 吐き出してから、楽になりましたか?

 

ベッキーさん:
なりましたね。20代って体力あるじゃないですか。私が思うに、体力って体だけではなくて、心にも体力があると思うんです。20代の頃は、誰かに相談しなくても突っ走れたんですよ。

 

でも、30超えて「このままいける!」って思っても心がパンクしちゃう。心の筋肉も衰えていくから、相談してもいいって思います。私は20代の頃、友達にも相談できなかった分、30代に入ってから相談し始めてみたんです。そしたらみんな「初めて言ってくれたね」とか「相談してくれて嬉しい」って言ってくれるんですよ。そんなWin-Winなことってないじゃないですか。それで絆も深まったりもするし。

 

── お互いにとって良いですよね。

 

ベッキーさん:
そうなんですよ。この間も、友達に「最近メチャクチャ辛くて、毎日泣いてる。ちょっと久々に会いたい」みたいなメールを送っちゃったんです。そしたら友達がすぐに飛んできてくれて。家でワイワイ楽しんで、友達が帰るときに、「今回このメールがきて、すごい嬉しかった。どんどん言ってよ、いつでも飛んでくるから!」みたいなことを言ってくれて。

 

どうしても、「みんな忙しいのに迷惑かな」とか、「ベッキーごときに時間を割きたくないんじゃないか」って、勝手な妄想しちゃうんですよね。でも、なるべくそういうのも取っ払って、ちょっとプライドを捨ててみる。

 

── 自分でどうにかしようって抱える人は多いかもしれないですね。

 

ベッキーさん:
体力落ちてるんだぞー。心の体力も落るんだぞーって思います。

 

初めは恥ずかしいかもしれない、チクッと痛みを伴うかもしれないけど、何かあったら誰かにメールを1通送ってみてくださいって思います。心地良くなるために、プライドを捨てるとかね。

 

PROFILE ベッキーさん

84年生まれ。神奈川県出身。タレント。98年「おはスタ」でデビュー。以降、テレビ・映画・ラジオ・雑誌・CMなど幅広く活躍。
取材・文/松永怜 撮影/坂脇卓也