福島県で育ち、山や木の香りが持つ癒やしの力に惹かれて、香りを使った商品開発をしたいと考えていた星亜香里さん。41歳でロート製薬に転職し、新規事業として香りの研究所「べレアラボ」を立ち上げましたが、その後、まもなく妊娠が判明。約2か月の産後休暇を経て、職場に復帰しました。

 

「やると言ったらなんとかなる。やらない選択肢がなくなるので」という星さんに育児と仕事についてお話を伺いました。

星さんとお子さん(2019年撮影)

香りの面白さに惹かれて家電業界から転職

── もともとはソニーで働かれていたそうですね。

 

星さん:
はい。2000年に社会人になり、ソニーマーケティングというソニーの販売会社に入り、パソコンのマーケティングをしました。2005年にソニーに移り、商品企画を行い、2016年ごろソニーコンピューターサイエンス研究所で新規事業開発などをしていました。ロート製薬に移ったのは2018年の夏です。

 

── どうして転職されたのでしょうか。

 

星さん:
私は福島県の南会津で育ちました。自然豊かな場所です。枝を切ると花のような香りがする木があるんです。

 

ソニー時代、その木からエッセンシャルオイルを作っている会社と出会い、香りの持つ癒やしの力の面白さに惹かれ、香りの研究にのめり込んでいったんです。

 

ソニーも面白かったのですが、香りなど液体系を扱うのは専門外なので、香りを専門に扱いたいと思い、転職エージェントに相談しました。

 

香りって形がない、目に見えないものだけれど、それが人の気持ちを変えられることに驚き、嗅覚の研究もまだまだ解明しきれていないから、面白いと感じたんです。

 

ロート製薬は「製薬会社だけれど、薬に頼らない社会を作りたい」という理念を持っていることに衝撃を受け、転職を決めました。