イベントなどの企画を手掛けるライフスタイルプロデューサーの村上萌さん。ご自身のライフスタイルが自ら立ち上げた会社の運営方法にも大きく影響しているといいます。5歳の娘の母親として、会社の顔として、どのように両立をしているのか伺いました(全3回中の3回)。

村上さんと5歳のお子さん

3歳の娘が「ママ、お話があるんだけど…」

── 引っ越しが多く、環境の変化もあるなかで、仕事と子育ての両立はどうされているのですか。

 

村上さん:
ありがたいことに娘はあまり風邪を引かないので保育園には通えているんですけど、夜に在宅で仕事が入り、夫が遠征で家にいないこともあります。そのときは娘にしっかり話をします。「今日はすごく大事なことが時計のここまであるから、待っててね」と言って食べ物や飲み物を用意して、映画をつけて。

 

5歳になった今はわかってくれているのですが、小さいときは大変でした。そのときだけシッターさんに来てもらって別の部屋で過ごしてもらうなど、毎回綱渡りでしたね。

村上さんの誕生日を祝う5歳のお子さん

娘が3歳の頃、ちょっと仕事してくるねと言って、別の部屋で仕事をしていたのですが、しばらくしてトントンとノックされて「ママ、お話があるんだけどいい?」って。驚いて「どうしたの」と付けていたイヤホンを外したら「昔むかしあるところに…」と話し始めて。本当にお話でした(笑)。

 

── ママにその「お話」を聞いて欲しかったんですね。

 

村上さん:
コロナ禍でも感じたことなんですけど、同じ家にいるのにママがこっちを見てくれないのはかわいそうだなと思うことがあって。職種や環境にもよるかと思いますが、私の場合は娘と精神的に近くにいるためにも、仕事のときには物理的に離れることも大事だと思いました。

最近は仕事をしているのをわかってくれて。娘のおままごとに保育園にゴリラのぬいぐるみを預ける設定があるのですが、「ママは今日、大事なライブ配信があるから待っててね」と語りかけていました。

 

あとは予定していたことが終わったら、切り替えてしっかり遊ぶ。終わったか終わってないのかわからずにスマホを触り続けるのではなく、「終わったよー!」って。事前にそのあとはクッキーを作ろう、どこかに行こうというのも約束するようにしています。

 

仕事ってなかなか終わることはないですからね…。

 

── 村上さんの手がけるイベントは、プライベートで経験したことも反映しているそうですね。

 

村上さん:
元々プライベートと仕事を切り分けるのには時間が足りないと思っていて、自分のしたいことを仕事に変えようという意識があったんです。

 

私の場合はあまり仕事とプライベートを分けていなくて、子どもと遊びながらもこれを企画に活かそうと考えています。

 

まったく普段の生活と切り離した仕事だったら切り分けないと難しいと思いますが、私は仕事で提案していることがプライベートでもしたいことになっています。

エプロンをつけた村上さんとお子さん

今の時代、休みの日にもあらゆるツールで連絡が来ますし、在宅ワークも増えてストレスが溜まっている方も多いのかもしれません。でも、ある意味このグレーゾーンをグレーと思わず、なんなら“ミックスジュース”とでも呼んで楽しくすることで、気が楽になると思っています。境目を曖昧にしながら、全部「自分のしたいこと」に変えていくようにしています。