移住しなくても、会社を辞めなくても地方の企業と働ける「ふるさと兼業」。ベトナムから三重県の2つのプロジェクトに参加した田中綾子さんは、終了後もやりとりを続けています。「今までの仕事だけでは出会えない人との温かいつながりが続いている」と、話す田中さんが実感した新たな働き方について聞きました。
ベトナムにいながら三重県の会社とつながる
ベトナム・ホーチミン市在住の田中さん(40代)は、普段はベトナムでグラフィックデザインや日本語フリーペーパーを制作する仕事をしています。
当初は特に三重県への思い入れがあったわけではなかったそう。
「応募のきっかけは、副業をしてみたかったからです。仕事の幅を広げたい、今の仕事ではできない経験をしたい、スキルアップ、つながりがほしい、などですね。
偶然、『ふるさと兼業』のSNS広告を見つけて、代表理事の南田さんの話や兼業者を募集する企業からの呼びかけに、 『私も何かしたい』と感じて応募したんです。
兼業経験をしてから地方のあり方に興味を持ち、自分がさらにどのように貢献できるかを深く考えるようになりました」
田中さんは、同時期に2社の事業に兼業者として関わりました。
「2020年後半に、甘草を使った商品を扱う佐太屋(株)の企業ブランディング、(株)ディーグリーンの薬膳スープ開発に副業としてたずさわりました。
今回の兼業には、これまで広告関係の仕事でつちかった『誰に、何を伝えるか』という視点が活かせました」