「小娘が」男のルールで動く政治活動
── 女性ということで、いろいろと苦労もされたのではないでしょうか。
金子さん:
それはもう、本当にあります。「政治は男がするもの」みたいな意識が本当に根強くて。公共事業の話をしても、「女性にわかる?」みたいに言われちゃったりして。こちらは地元に必要な予算を持ってくるために汗をかきたいのに…。
仕事では「小娘が」みたいに言っているのに、夜の会合には来るのを喜ばれるんです。
私もなんとか地域に馴染んでいきたいと思っていたので、1日に3〜4件会合をはしごして、その場にいる全員にお酌をして返杯をして…毎日フラフラになって帰って、玄関で寝るような生活でした。あのときは本当に、文字通り命を削っていたなと感じました。
基本的に政治の世界と選挙のルールは、「男がやるものだ」という前提で全部作られているなと思います。結婚するときも「これで3000票減ったね」って面と向かって言われました。それは男性票が減るということなんでしょうね。若い女性をアイドル扱いしているかのようです。
結婚して、子育てをしながらの活動となったときに、思いきって会合に出席することをセーブしました。そうしたらすごい反発が大きくて。「だから子どもがいる議員はダメなんだ」と面と向かって言われましたし。
じゃあ今度は子どもを連れて会合とかお祭りに行くと「子どもをダシにしてるのか」「子育てやってますと売りにしたいのか」と言われたりして、なんなんだって感じがありましたね。
PROFILE 金子恵美さん
1978年新潟県生まれ。新潟放送勤務を経て、2003年にミス日本関東代表に選ばれる。07年新潟市議会議員選挙に立候補し当選。新潟県議会議員を経験後、12年に衆議院議員へ。10年間の議員生活を経て、現在は企業顧問とテレビコメンテーターなどとして活動中。
取材・文/藤井みさ 撮影/井野敦晴