地道な街頭演説で得た確信

「20代の女性が政治なんて」という猛反対を受けた

── 逆風のなかでも、心が折れることはなかったんでしょうか。

 

金子さん:
広い選挙区だったので、新しく私を知ってくださる方もたくさんいました。3つの議席を10人で争うというかなり熾烈で無謀な選挙戦だったんですけど、私はどこかで確信のようなものがありました。名前を言えないときから「いま、新風を!」というのぼりを持ってしゃべっていた私を知ってくれた若い方や女性が動いてくれるんじゃないか、そう信じて街頭に立ち続けました。

 

選挙当日、事前の調査では10人中8番か9番と言われていたのに、4244票もいただいてトップ当選することができて…その票のほとんどは今まであまり選挙に行っていなかった女性や若い方だったんだろうなと思うんですが、ちゃんとやっていれば保守的な地域でも波を起こして、動かすこともできるんだな、と実感しました。

 

選挙に6回出ましたが、やっぱり1回目の選挙は私にとって忘れられないものですね。

 

── 議員になってからはいかがでしたか?

 

金子さん:
みなさんに与えていただいた議席だと思っていたので、今思うと本当に必死で仕事をしていました。「信用してもらわないと」「受け入れてもらわないと」という思いがあったと思います。

 

政治家の事務所というと敷居が高いようにみられてしまいますが、私は定期的に学生や主婦など、女性たちとお話をする機会も設けました。「ほんのちょっとでもいいから不満なことがあったら聞かせてください」って言って。

 

結局その人にとっては「自分だけの不満」に思えるかもしれないんですけど、同じように不満を持っている人もいるかもしれない、それが公共のことにもつながるかもしれないから、どんなことでも聞かせてください、と言っていました。

 

要望書を上げたら実際にそれが目に見える形になって、それがその後の地域の資産となるということに、やりがいを感じていましたね。国政に携わってからも地方自治、地方行政の視点は重視してきました。