「離婚したい」と母親が言うほど両親の仲は冷めていた
「うちの両親、夫婦関係を私の夫に救われたようなものだと思います」
そう話すのは、ユカさん(38歳・仮名=以下同)です。彼女が結婚したのは4年前。現在は2歳年上の夫と、3歳になる長女の3人暮らし。
共働きで多忙な日々を送っていますが、それでも子どもが産まれてからは、月に2、3回はユカさんの実家に一家で出向きます。
「結婚当初から、夫はわりと私の実家に行くのを嫌がらなかったんですよね。むしろ私のほうが面倒だからやめようと言うことが多かった。
ただ、子どももかわいい盛りだし、夫にも促されるので、最近は定期的に顔を出しています」
夫の実家は遠方で、しかも実兄一家と同居していて、夫自身が兄の妻とはあまり相性がよくない様子。実家にはめったに足を運びません。
「だからなのか、うちの親を本当の親のように思ってくれているのかもしれません。両親も夫が行くのを楽しみにしていて」
実はユカさんが子どものころは、両親は不仲でした。父は仕事が忙しくて不在がちでしたが、「今思えば、父は浮気していたのかも」と彼女は言います。
だから父がたまに家にいても、母との会話はほとんどなく、両親が仲良く話しているのを見たことがないそう。
「私が大学生のとき、母は『お父さんが定年になったら離婚してもいい?』と聞いてきたことがあります。私は『好きなようにすればいいよ』といいました」
ユカさんが30歳になったころ、父は定年退職。しかし、母は離婚を決断できなかったようです。