「死にたい」から、32社目で仕事が決まった中高年男性

── 中高年の方の悩みは深いのですね。

 

篠原さん:
ええ、中高年の方で、もう会社辞めちゃいましたという人もよく来ます。

 

辞めたら仕事がなくて、今、海に向かっていますというから、「いやいや、海じゃなくて、まずはうちの寺に向かいなさい」とこれまた引き止めます。

 

「水道工事をやっていた会社が倒産して、今日ご先祖の墓参りをして、区切りとします」と言ってききません。

 

仕事を探して3か所受けたけど、落ちたというから、50か所ぐらいは受けないとわからないよと私が伝えました。

 

その後も「もうダメです」「いやまだまだだよ」と電話でやりとりを繰り返しました。

 

32か所受けたくらいだったでしょうか。彼が生き生きしてきて「仕事が見つかったんです」と報告してきたんですね。必ずあるんですよ。

私たちの生きている世界はすべて変化している

── よく粘られましたね。

 

篠原さん:
実はすべて変化なんです。私たちの生きている世界は常に変化しています。

 

変化を受け入れられない人が苦しむのだけれど、変化は起きます。同じ状態でい続けることは、無理なんです。いい状態だって変化するし、悪い状態も変化するんです。