Twitterで6万超えの「いいね」を獲得した、上機しほ(@kamihatashiho)さんの漫画『好きな人が結婚する日に、無人島に漂着しちゃった方言男子』。不運で不器用な主人公の、片思いの相手へのひたむきな姿にキュンとする!と多くの反響を呼んでいます。

ひたむきな「方言男子」思わず応援してしまう!

方言(イメージは備後弁だとか)を話す主人公は、結婚を明後日に控える女性社長の代理で出張へ行くも、不運なことに乗船中の船から落下し、無人島へ流されてしまいます。実は社長に片思い中だった主人公。ひとりっきりの島でなす術もなく、社長との思い出を振り返ります…。

無人島にスーツ姿で流されてしまった方言男子…

そもそも船から落ちたのは、船内で起きたケンカに巻き込まれたから。しかし不運な状況下でも、無人島から生還し、社長の笑顔をまた見たいと、「俺の不運は笑ってもらうためにあるんじゃろーが!」というセリフとともに奮い立ちます。

 

漫画を読んだ読者からは、「不運かどうかを決めるのは本人次第なのかもしれない」「こんなふうに前向きに捉えられる主人公が素敵」など、ポジティブなキャラクターに共感する声や、「方言に萌えた」と主人公の設定に惹かれたという好評コメントが多数投稿されています。

 

大胆なシチュエーションかつユニークなキャラ設定の漫画で、読者のハートを掴んだ上機さんに作品誕生のきっかけを伺いました。

独自の世界観を生み出す上機メソッドとは?

── 上機さんの作品は「恋愛」をテーマにしたものが多いように感じますが、それはなぜでしょうか? 

 

上機さん:
「誰かを大切に想う気持ち」を漫画で描きたいという思いから、自然と恋愛ものが多くなっているのかもしれません。読者の心にいちばん響きやすいテーマのようにも思います。

この状況を「大好きな社長に笑ってもらいたい」なんて…一途すぎる!

── 今回も男性部下と女性社長との恋愛がテーマでしたが、主人公が無人島に漂流したり、方言を喋ったりする設定がおもしろく、ただの恋愛漫画と異なる独自の世界観に惹かれました。このような突飛な設定はどのようにして生まれるのでしょうか?

 

上機さん:
『好きな人が結婚する日に、無人島に漂着しちゃった男子』は、SNSメインで活躍するための漫画制作について学ぶスクールに参加したときの課題用に制作したものです。普段はパッと思いついたことを題材にすることが多いですね。

 

── 今回の漫画のなかで、特に気に入っているシーンはどこでしょうか?

 

上機さん:
そうですね…「もしこのままここで死んだらあなたの心は俺への罪悪感でいっぱいになるじゃろうか」でしょうか。それだけしか望まないというのが、なんとも切なく、不器用さを感じるからです。

作者の上機さんがお気に入りのシーン
上機さんお気に入りシーンはこちら。望みが控えめすぎて切ない…(涙)

── キャラクターやシチュエーションなど、実生活で参考にされているものはありますか?

 

上機さん:
映画、音楽、漫画などを鑑賞しているときに着想を得て、アイデア出しをします。たとえば、すごく心に響いたシーンがあったとして、なぜこのように心が動かされるのか?分析、研究し、漫画のシチュエーションに活かします。

 

人物はアイドルグループのキャラを分析して参考にすることが多いです。人気のある子は本当にキャラクターが立っているので、すごく勉強になります。

 

──  今後描いてみたいテーマについて教えてください!

 

上機さん:
ミステリーものが大好きなので、今後描いてみたいです。犯人探しの話を、恋愛も絡めてかけたら、楽しいだろうな、と思います。

 

 

1歳のお子さんの育児との両立に奮闘しながらも、次のアイデアを少しずつ練り始めているという上機さん。新しい作品も今から楽しみです!

取材・文/望月琴海