「笑顔や会話が増えた」再登校よりも大事なこと

夢中教室で生徒と伴奏する先生たちもじつにユニークで、証券会社を経て起業した人、大学院生、コピーライター、元ダンスインストラクターなど多彩。

 

「先生の採用に関しては、この教室のビジョンに共感できるかどうか。子どもを絶対に否定しないこと。

 

子どもたちの繊細な部分を理解して、スキルを引き出せるようなコミュニケーションが大事なので、受容力や傾聴力は必要です。

 

実際にどういったコミュニケーションが取れるかは、ロールプレイングを実施して、その後研修してもらいます」

 

先生たちの働き方も多様で、多くは副業の業務委託契約で参加しています。授業は土日も平日も関係なくあるそう。

親御さんから感謝のLINEも届く

そうした取り組みでオンライン教室に通う子どもにも変化が徐々に見えてくるようで、保護者から嬉しい連絡が届く様子。

 

「『家での子どもとの会話や笑顔が増えました!』とおっしゃる親御さんは多いですね。

 

学校に再び行き始めた子もいれば、自分のやりたいことがわかってもっとその分野を学びたいと話す子もいるようです。

 

自室で引きこもっていた子がオンライン授業に参加し始めてから、リビングに出てきて、授業内容を話すようになったり、離れていた友達と遊びに行ったりするケースも出てきました」

 

その歩みは個々で違いますが、確実に行動変容が現れているといいます。学校に復帰しつつ、夢中教室は習い事感覚で続ける子どももいて、退会した子どもはゼロ。

 

「親御さんの要望も、“また学校に行って欲しい”わけでなく、“子どもが元気になってほしい”、“自分の良さに気づいてほしい”というニーズが多いですね。そのためにも、オンラインはちょうどいいのかもしれません」

取材・文/西村智宏 画像提供/夢中教室