年齢を理由に「できへん」と言いたくない

── 今年3月には更新を一時お休みされていましたが、連載マンガ家としてのお仕事と主婦業の両立はやはり大変そうです…。

 

三本さん: 

今年の春休みはとにかくもう忙しかったですね。

 

単行本の書き下ろし作業がギュッと詰まっていたのに加えて、幼稚園・小学校・中学校と三方面から大量のプリントがバラバラとくるし、日頃の疲れがたまっていたのか子どもが体調を崩したり、私が発熱したり、家族みんなが胃腸を壊したりと、とにかく家族全員が不調で。もう潔く休ませてもらおう、と決めて初めて編集部に休載させてくださいとお願いしました。

 

私は今42歳なんですけど、やっぱり40代になってからはいろんなところがしんどいんですよ。目もしんどいし、肩もしんどい。深夜まで無理してギンギンに働くことはできても、翌日はほとんど潰れてしまう。

 

でも、年齢を理由に「できへん」とはまだ言いたくない。そこを理由にしたらズルズルいってしまいそうな気がしているので、今はまだそこに抗っている最中です。

 

運良くSNSで成功して、トントン拍子に連載・出版が決まって、家族の協力もあって…とそこだけ伝わると、なんだか充実した人生を送っているように見えるかもしれませんが、インスタを一歩離れるとすごく厳しい世界だなとも痛感しています。

 

挫折して、悩んで、でも描きたいという葛藤を繰り返しながら、なんとかギリギリで連載を続けているのが現実です。だからこそ、年齢を理由に「できへん」と言わないように、という気持ちがあるのかもしれません。

 

 

次回は、三本家の夫婦関係やパートナーシップ、そして親として心がけていることについてお聞きします。 

 

PROFILE 三本阪奈さん

関西在住、3児の母。2019年1月より5人家族の日々を描いたコミックエッセイをInstagramに投稿、たちまち大人気になり『ご成長ありがとうございます~三本家ダイアリー〜』として単行本化される。最新作はシリーズ第4弾『ご成長ありがとうございます おとしごろ編』。 

取材・文/阿部花恵