育児をしながら、社会に置いていかれるような焦りを感じた

── 当時、寂しさを感じたのでしょうか。

 

多田さん:
寂しさというより、焦りですね。

 

産後ほとんど家にいて、社会と切り離されて、置いていかれるような感覚でした。

 

子育てに必死で、昼間はほぼ娘と家にいて、育児に奮闘して、気がつけば社会から取り残されている気がしました。子どもが生まれてから、今後の生き方をすごく考えるようになりました。

 

子育ての幸せも感じながら、同時に社会に出て仕事をしたいと思ったのです。

 

子どもも保育園や幼稚園の中で社会性を身につけるものですし、自分の仕事と子どもの生活、両方を叶えたいと思って転職を決意したんです。

せめて資格ぐらいはと「宅建」取得

── 宅地建物取引士(宅建)の資格を取られたそうですね。どのタイミングで勉強されたのでしょうか。

 

多田さん:
転職しようと決めたのが38歳ぐらいで、とはいえ、今までずっとフリーのキャスターで、会社員の経験もなく、自分に何ができるかと言ったら、何もできない。会社や社会をわかっていなくて、子どもがいて限られた時間しか働けないとなると、はたして雇ってくれる会社があるのだろうかと思って。せめて資格ぐらいは取ろうと。

 

もともと、大学(横浜国立大・建築学科)で建築を学んでいたことから、テレビ以外では住宅関係で働きたいと思ったのですが、調べたら宅建の資格があると有利であると知りました。

 

そのころは子どももまだ2歳だったので、子育て中心の生活で、月に30時間ほど子どもを預けていた時間や、夜子どもが寝た後の時間を使って勉強しました。

 

半年間ぐらい大学受験以来というぐらい勉強して合格しました。

雑誌の取材撮影にのぞむキャスター時代の多田さん

── そこでオープンハウスを選んだ理由は何でしょうか。

 

多田さん:
さまざまな企業を見る中で、オープンハウスは勢いのある会社で、高い成長率で成長し続けていたからです。今も変わらず成長しています。

 

そんな環境に身を置けば自分も成長できると確信したんです。子どもを保育園に預けてまで働く貴重な時間ですから、自分が成長できる環境に身を置きたいと思いました。

 

── 転職ギャップはありましたか。

 

多田さん:
いえ。普通の会社でおそらく5〜10年かかることが2、3年で学べるのではないかというぐらい充実した日々です。
 

── 今のお仕事はどのようなものでしょうか。
 

多田さん:
広報として、リリースを出すことが多いですが、取材現場に行くこともあります。

 

もうほとんど気づかれることはないのですが、たまに制作のカメラマンさんが以前ロケでご一緒した方だったり、ディレクターさんが知っている方だったりすることもありますね。

 

── 転職してやりがいを感じることは何でしょうか。
 

多田さん:
成長している企業なので、業務内容も業務環境も刻々と変わっていきます。日々抱える業務の領域が広がっていて、一年前と比べるとスキルも身につき、できなかったことがなんとかできるようになる。少しずつでも自分の成長が実感できて、充実していると感じます。