ママはセンターできるんじゃない?
── 現在お子さんが2人いらっしゃいますが、普段の生活はいかがですか?
安田さん:うちの姉妹はすごくママっ子で、特に次女に関してはママに恋してるんじゃないか?というくらい私のことが好きなんです。いつも私を、外見も中身もベタ褒めしてくれますね。
たとえば、つい「私なんて」といった言葉を言っちゃったとき、次女がすかさず「私の大好きなママを悪く言うなんて許さない!」と私に対して怒ってくれるんです。また、テレビで人気のアイドル等の方を見ても、「ママはセンターできるんじゃない?」と言ってくれたり(笑)。
── 長女さんは、そんなシチュエーションでなんて言うんですか?
安田さん:長女は「そんなわかりきったこと、言わないで」って(笑)。ちょっとクールな感じで言ってくれます。
40歳過ぎてセンターって、なんか言わせているみたいでめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど。「やめてよ~!」と言いながらも、すごく嬉しいです。
私は、子どもの頃から両親に厳しく育てられたこともあり、ほとんどほめられた記憶がないんです。それもあって、私は大人になるまで自信が持てずにいました。そんな私に対して、長女も次女も「まるで私の自己肯定感をあげるために生まれてきてくれたのかな?」というくらいほめてくれて、私のすべてを肯定してくれるんですよ(笑)。
40代ってかっこいい!
── Twitterで『「ママが40歳なんてイヤだ」と泣いた娘に「40代ってかっこいい」と思わせてみせる』と書かれていました。これはどんな状況だったのでしょうか?
安田さん:「ママが40歳なんて〜」と言ったのは次女ですが、子どもからみたら39歳と40歳はすごく大きな差だと感じたようです。それで急に不安になって「ママは年を取らないで!」と思ったんでしょうね。私への思いが強いからこその言葉でしょうか(笑)。
── 実際40歳になって変わったことはありますか?
安田さん:「40歳でもカッコいいと思われるママでいたい」とも書きましたが、「かっこいいと思わせる」のは、良い部分だけ見せ続けるわけではないんです。娘たちを子ども扱いせず、私の弱い部分もちゃんと見せる。挑戦したり、うまくいかなくてもがいていたり、悩んでいたりしている姿も包み隠さす見せることが大事だと思って、すべてひっくるめてカッコよくありたいなって。
「ママはこれをやってみたけど、だめだったんだ」とか、「お仕事のオーディションを受けたよ」と言ったことも全部話して、それでも今を楽しもうとしている姿を見せていきたいですね。
── 娘さんたちにとってもいい刺激になりそうですね。
安田さん:やっぱり自分の弱いところを見せることによって、「私が守ってあげなきゃ」とか、「ママを助けて、ママも私を助けて」とお互いに助け合っていこうとなっていくのかなと思っています。
それに、ときには私も駄々っ子のように「今日は仕事に行きたくない」って娘たちの前で言うこともあるんですよ。もちろん、全部それだとただのダメな母親になっちゃうので(笑)。その辺はバランスをとりながら、でもそんな親子関係も悪くないかなと思ってます。
夫婦喧嘩でパパを窮地に追い込んだ娘のひと言
── 結婚されて10年以上経ったとのことですが、夫婦喧嘩をすることはありますか?
安田さん:夫婦喧嘩になっても、1対1ではなくて、完全に男女で1対3になってます。
── 娘が2人いるとママ側が有利なんでしょうか(笑)。
安田さん:とくに次女がはっきり言うタイプなので、女子チームは強いですね!
たとえばつい最近の出来事。私が少しの間、シンクに食器を置きっぱなしにしていたんです。それを団長が見つけて「食器をちゃんと洗いなよ」と言ったんです。団長は別に怒ってそう言ったわけじゃなく、サラっと言っただけだと思いますよ。
でも、それをそばで聞いていた次女がかけ寄ってきて「なんてこと言うのよ!ママが普段どれだけ他に家事をやっているのか知ってるの?パパにはわかんないでしょ!」と、代弁というか…それ以上のことを言ってくれたんですよ。
それを聞いて団長も「あ、言わなきゃよかった」みたい感じになっていて…(笑)。
毎回そうなんです。パパである団長からしたら、ちょっと面白くないかもしれないんですけど、娘たちが全部間に入ってくれますね。
── それでなんとなく回っていると(笑)。
安田さん:いつも3対1なので、私はとても心強いです!
PROFILE 安田さちさん
フリーアナウンサー。「安田大サーカス」団長安田の妻であり、2児のママ。タレントとして活躍していたものの結婚を機に家事、育児に専念。35歳でフリーアナウンサーとして活動を再開。
取材・文/間野由利子 撮影/坂脇卓也