夕飯にカレーを作ると「今日、お昼もカレーだった!」と家族から言われてしまう…メニューかぶりはよくあることですよね。カレーならば何食か続いてもまったく平気な私ですが、わが家の場合、ちょっと困ったかぶりがあるのです。

ご褒美スイーツタイミングがかぶりまくる

例えば週末、金曜日の帰宅途中。つい目に入るのは駅ビルの中にある美味しそうなスイーツのお店です。

 

期間限定出店か…と、ついフラフラと立ち寄って、家族分のシュークリームを買い込み、箱を抱えて意気揚々と帰宅した私を出迎えたのは、居間のテーブルに積まれた、美味しそうなおはぎでした。

 

なるほど義父が買ってきてくれたのだな…(おはぎは義父の好物)。まぁシュークリームは冷蔵庫に入れれば明日までもつし…と冷蔵庫の扉を開けると、そこに並ぶのは美味しそうなコンビニスイーツ。固まる私に背後から義母の「デザートにいいもの買ってあるわよ!」の声がかかります。

 

そう、わが家はなぜか、家族がご褒美スイーツを買うタイミングがかぶりまくるのです…。

 

一緒に暮らして同じものを食べているからこそ、「そろそろ甘いものが食べたいな」というタイミングがかぶる…という理屈はわかります。わかるんですが、それにしてもこんなにかぶることある?という奇跡のタイミングでみんながスイーツを買ってくるのです。

 

しかもたいていは賞味期限が短い、今日明日のうちに食べてしまわなければならないものばかり。

 

一度、たい焼きとおはぎと串団子がかぶったときがあり、どうしたらいいのか途方に暮れました(いや、結局きれいに食べ尽くしましたが)。

 

そして摂取カロリーを大幅に超過した大人たちは反省し、しばらくは甘いもののお土産を買ってくることを自重します。

 

そうしてしばらく間が空いて、そろそろ甘いものが欲しくなり…そろそろいいか、と買って帰ります。そうするとまた同じことを考えた家族により、積み上がるかぶりスイーツたち。

 

なんだこのかぶりっぷりは?運命か?

 

しかしせっかくの美味しいものを無駄にするわけにもいかない…そううれしい悲鳴をあげながら、結局はきれいに平らげられるスイーツたち。

 

比例して私たち家族のお腹周りがどんどん立派になっていくのは、もはや説明するまでもありません。

かぶるのはスイーツだけじゃない

さらにわが家の買い物でかぶりがちなものがもうひとつあります。それが食パンです。

 

家に一人になることが多い義父は、お昼ご飯は大抵いつも、自分でハムチーズトーストを作って食べています。それは本当にありがたいのですが、日常のルーティンになってしまっているので、食パンを切らすのがもはや耐えられないらしいのです。

 

ご飯が炊いてあるのに…カップ麺や冷凍パスタなども買い置いてあるのに…。

 

義母もまた、世話好きの血が騒ぐのか、「おじいちゃんのパンがもうなくなるわよ」としょっちゅう食パンの在庫を気にしています。とにかくわが家の高齢者ふたりは、食パンが残り少なくなるとソワソワとして落ち着かなくなるのです。

 

こうしてわが家では、常に食パンの在庫を気にする緊張状態となっています。その結果としてしばしば起きる事態が、食パンの過剰在庫。

 

朝、もう食パンが残り少ないな…と思って出かけた家族が、それぞれの出先で食パンを買って帰ると、どうなるでしょうか…。

 

テーブルに、まるで祭壇のように積み上がる、合計7袋の8枚切り食パン。賞味期限は長くても3日後…。

 

こうして、朝も昼も有無を言わさず食パンをむさぼる日々が、数日間続くのでした。

かぶり買いが繰り返される訳

しかし、賞味期限の短さと家族の多さが災いして、すぐまたなくなる食パン。

 

そして義父から出される「もう食パンがないから買ってきて!」の指令。

 

他の家族は買って帰るのか?それとも買わないのか?一か八か、ハラハラしながら買って帰る食パン。やはり再びテーブルに積み上がる食パン。

 

いや、食パンもスイーツも、買う前に家族LINEグループなどでひと言確認すればいい、というのはわかっているのですが…つい面倒で…。

 

さらにたまにきちんと報告しても、その時に限って義父母がスマホを見てくれていなかったりするので…。

 

こうして、しばしば同じものが山積みになる、懲りないわが家の食卓なのでした。

文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ