今は転職ミスマッチの過渡期
── 転職して失敗している人も一定数いるのではないでしょうか?そこはどうしたらいいでしょう。
渡辺さん:
何のために自分は転職するのか、そこを考えることですね。十何年前は転職する際は、みなさん相当の覚悟を持ってしていたけれど、今は理由なく、「みんなしているし」という理由で気軽にする人が出ていて、副作用があると思います。
今は人が職を変えるということの過渡期にあると思います。過渡期にあって、ひずみも出ていると思っています。
転職した人の失敗談とか、「必ずしも動くことがいいわけでけではないよ」とか、転職者から話を聞いて学ぶ時期なのかなと思います。
── 以前は転職がほとんどなされない社会で、今はみんなが気軽にしているからひずみも生まれている過渡期なんですね。もう少しするとあまり転職のミスマッチは出なくなるのでしょうか。
渡辺さん:
そうですね、そう思います。転職の失敗は全くなくならないとは思いますが、見直しはかかってくると思います。
── 学び直しも増えていますね。
渡辺さん:
学び直しもよく聞きますね。しかし、自分のキャリアを考える上で、何を学び、誰にアドバイスを求めていいのか、わかっていないことが多いですね。
私は、転職希望者の経歴や将来やりたいことを聞いて、「こういうことを勉強したら」というアドバイスもしています。
すぐには転職しないけれど、優秀な転職候補者のメンターにもなりたいと思っていて、その人の人生に寄り添い、アドバイスをしていくなかで、いよいよその人が転職したいというときに、「長い間、相談にのってくれた渡辺さんに転職先紹介をお願いしたい」と言われることもあるんです。
転職者について、右から左へ、とりあえず転職させれば良いということはしていないんです。だから、そこまでフォローすると転職の失敗は少ないんです。
── そういう関わり方の転職支援者が増えるといいですね。とりあえず転職先斡旋となってしまうと違いますよね。
渡辺さん:
そうですね。転職エージェントはそういう人ばかりでもないし、本当にいいエージェントに出会えると、いいキャリアができるということを知ってほしいと思っています。