「オーディションでは、少し浮いてましたね」と語るのは、歌手・女優の西田ひかるさん。中学1年生でアメリカから日本に帰国した後、芸能界デビューに向けて数々のオーディションを受けてきました。ときには、水着審査で驚いたこともあったとか。15歳で芸能界デビューした後は、どんな世界を見ていったのでしょうか。
「水着とパンプス」の組み合わせに驚き
── 芸能界デビューするにあたって、オーディションもたくさん受けられたんですよね。
西田さん:
今の社長に声をかけられて、13歳で事務所に入ったんですが、「まずはいろいろオーディションを受けてみよう」と言われて。でも、オーディション会場では、なんとなく私はちょっと浮いていたような気がします。皆さん女優を目指して会場に来ている中で、私は、カリフォルニアから帰ってきて、日に焼けてるわ、ピアスが開いてるわ、1人だけ真剣味がないような。
── 既に目立っていたような。歌や水着の審査があったのでしょうか。
西田さん:
歌は、他の皆さんはアイドルの方が歌うような曲を選ぶ中、私はアン・ルイスさんの『六本木心中』を熱唱して。結構衝撃だったと思います。でも、別に浮いてても、私はへっちゃらというか…今、思うと全然気にしてなかったですね。
ただ、水着の審査では「水着とパンプスを履く」と言われて驚きましたよ。それも皆さん同じ格好で。こんな格好でオーディションを受けるんだ、へえー!って。私からしたら、水着にはビーチサンダル、がイメージだったんですよね。
フルキャパシティだった10代
── デビューされてからはいかがでしたか?
西田さん:
新しいことだらけだから、とにかく頑張って挑戦しようという気持ちで飛び込んでいきました。スタッフの方達もすごく優しかったからできたのかなってって思います。
それでも「私がアイドルになるのってなんか変な何か感じだな、いいのかな」ってどこか思ってましたよ。ただ、それ以上に若かったし、何を聞いても新鮮だったので「なるほどー!」「おもしろーい!」って日々、いろいろな経験を積んでいったように思います。
── とはいえ、当時はとにかく忙しかったのでは?
西田さん:
芸能界で働く条件として、母と事務所と約束をしたんです。「月曜から金曜は学校に行く」と。
だから、学校が終わって夕方4時ぐらいに新宿駅でマネージャーと待ち合わせして。そこからテレビ収録に行って、メイクをしながら雑誌の取材をしてリハーサル、本番を終えて、その後ラジオの収録、生放送に出て…毎日夜遅くまでスケジュールが詰まっていたので、学校ではとても眠かったのを覚えています。
── 嫌だな、と思ったことはなかったですか?
西田さん:
初めての仕事に挑戦するとき、もっと準備したいのに忙しくてできない、といったストレスはありましたね。
たとえば他の人の歌を歌う番組も多かったんですが、もっと練習したいのに、台本を持ったままウトウトしてしまったり。フルキャパシティで本当はもうちょっと上手にできるはずなのにできない。歯がゆかったですね。