「高齢になって駅近マンションに引っ越しも一手」

ただ、持ち家には空き家問題が立ち塞がるとも屋敷さん。

 

「家を建てるときは将来、子供も一緒に暮らして、孫もいて、など夢を膨らませますが、なかなかそうもいきません。

 

駅から離れた場所に家を建てたケースでは、高齢になって車にも乗れなくなり、不便になって、家を売って駅近くのマンションに引っ越すというケースもあります。

 

その場合に空き家になる問題も生じてきます。」

 

そのときどきのライフスタイルによって家も変化していくものだと言います。

「大手メーカーと中堅メーカーの差は宣伝費ぐらいかと」

ちなみに、新居を建てる場合、大手メーカーの方が中堅メーカーよりも値段が高いケースがありますが、その理由を屋敷さんに聞いてみました。

 

「宣伝力、ブランド力の違いですね。乱暴な言い方をすれば、家はさほど変わらないと思うのですが、日本人はやっぱり高い方が安心、と思って高いブランド力のあるメーカーを選ぶケースも多いのかもしれません」

 

中堅メーカーに勤めていた屋敷さんはそう話してくれました。

 

PROFILE 屋敷康蔵さん

35歳の時に住宅業界に就職。10年近く在籍し、120軒の住宅建築に関わる。著書に住宅営業マンのテクニックなどを書いた『住宅営業マンぺこぺこ日記』がある。

 

取材・文/天野佳代子 写真/PIXTA 写真提供(本人写真)/屋敷康蔵さん