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有給休暇を認めないのは違法?例外はあるの?

仕事

2019.02.25

work201902

  • 会社が有給を取らせてくれない…
  • パートやアルバイトでも有給が認められる?
  • どのくらいの日数の有休を取得できるの?
  • 有給はいつでも取得できる? 

1つの会社で半年以上勤務した従業員には、基本的に「有給休暇」を取得する権利が発生します。しかし会社によっては有給を取得させてくれない、取得しにくいところもあるのではないでしょうか?

 

先日公開した『休めないなら会社を辞めます… GWに海外旅行を予約した新人の宣言に巻き起こる波乱』という記事が非常に大きな反響を呼びました。それを受けて改めて、「どのような人に有給休暇が認められるのか」「有休を取得できる日数や時期」などについて、元弁護士の福谷さんに伺いました。

 

1.そもそも有給休暇とは


有給休暇とは「給料が支払われる休暇」です。本来、会社を欠勤したらその分給料は減らされるはずです。しかし法律は、労働者を休ませてリフレッシュさせ、人間らしい生活を保障するために、一定以上の勤務日数を満たす労働者には一定日数の「有給休暇の取得権」を認めています(労働基準法39条)。

有給休暇の取得権を得た労働者は、出勤日であっても会社を休みその日の分の給料も満額受けとることが可能です。

また勤続年数が長くなればなるほど、1年で取得できる有給休暇の日数が増えていきます。有給休暇の上限は1年に20日です。

 

2.有給が認められる条件


有給休暇の取得権が認められるのは「入社後6か月間継続して勤務した労働者」です。半年未満の方には有給は取得できません。また「全労働日の8割以上の日数」に勤務した実績が必要です。欠勤が多すぎると有給が認められない可能性があります。

 

3.有給が認められる人


基本的にすべての労働者に有給休暇が認められます。正社員だけではなく契約社員、パートやアルバイトなどの短時間労働者も有給休暇を取得できます。

ただし短時間労働者の場合には、取得できる有給の日数が少なくなります。

 

4.有休を取得できる日数


 一般の正社員の労働者が有給を取得できる日数は以下の通りです。

勤続年数

6か月

1年半

2年半

3年半

4年半

5年半

6年半

有給休暇の日数

10日

11日

12日

14日

16日

18日

20日

 

アルバイトやパートなどで、労働時間が週30時間未満となっている場合の有給取得日数は、以下の通りです。同じパートやアルバイトでも、1週間や1年の所定労働日数(就業規則などで定められた労働日数)によって有給の計算方法が変わってきます。

 

1週間あたりの所定労働日数

1年の所定労働日数

勤続年数

半年

1年半

2年半

3年半

4年半

5年半

6年半以上

4日

169から216日

7

8

9

10

12

13

15

3日

121から168日

5

6

6

8

9

10

11

2日

73から120日

3

4

4

5

6

6

7

1日

48から72日

1

2

2

2

3

3

3

 

5.会社が有給を認めないのは違法


以上のように、有給休暇は労働基準法によって労働者に認められる法的な権利ですから、会社側が制限したり認めなかったりするのは違法です。有給は堂々と申請しましょう。たとえば6年半以上継続勤務している正社員の場合、年間20日の有給取得権が認められるので、20日間の有給休暇を取得すれば良いのです。

もしも会社が有給を認めなかったら、労働基準法違反として処罰されます。刑事罰の内容は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑です。

 

6.会社の「時季変更権」について


有給は労働者の権利ではありますが、従業員がいつでも好きなときに取得できるとは限りません。会社には「時季変更権」が認められるからです。時季変更権とは、従業員が希望する日に有給を取得させると多大な業務上の支障が発生するのでやむを得ない場合に、会社側が有給取得日の変更を求める権利です。

会社の繁忙期に有給を申請したケースや、多人数の従業員が同じ日の有給申請をした場合など、業務に支障が及ぶ可能性の高いときには時季変更権によって有給取得日が変更される可能性があります。

 

時季変更権の行使が認められるのは、有給取得によって多大な業務上の支障が出るケースに限られます。労働者に有給を取得させたくないので、嫌がらせで「その日もダメ」「こちらの日もダメ」などと拒絶し続けると結局「有給を取得させない」のと同じなので、違法です。

 

7.有給休暇の買取について


「会社が有給休暇の買取をできるのか?」と疑問に思う方がたくさんおられます。

有給休暇は「労働者に実際に休暇を与えないと意味がないもの」ですので、会社が買い取ることは認められません。法律によって与えられる最低限の日数の有給買取は労働基準法違反です。

ただし以下のようなケースでは例外的に買取が認められます。

  • 法定の日数以上に有給を与えている場合
  • 時効にかかった有給休暇を買い取る場合
  • 退職までに有給を消化できなかった場合

上記の場合、買取を認めても労働者に不利益がなく法の趣旨にも反しないためです。

買取金額については決まった計算方法がなく、会社によって異なります。1日あたり3000~5000円程度とされたり1日分の平均賃金を算出したりして決定されています。

 

8.有給休暇の時効について


有給休暇は2年で時効にかかります。そこで発生した時点から2年が経過した時点でその有給休暇は利用できなくなります。有給は毎年発生するので、消化しないと1年が過ぎるごとにどんどん発生と消滅を繰り返していくことになります。

 

10.年5日以上の有給付与の義務化について


日本では、諸外国と比べても有給の取得率が低いと言われています。あなたの会社でも、何となく申請しにくい状況があるかもしれません。

そこで法改正が行われ、2019年4月1日からは、会社が労働者に年5日の有給を付与することが「義務化」されます。つまり労働者が有給休暇を年5日以上取得しないと、企業側が法律違反となってしまうのです。これからは、今よりさらに自由に有休を取得しやすくなるでしょう。

 

11.祝日が出勤日となっている場合の有給休暇


そもそも祝日に出勤させること自体は違法ではありませんし、当初から祝日出勤を予定している会社であれば休日出勤にも該当しません。世間では祝日でも通常の出勤日です。

ただ、従業員は祝日に「有給休暇」を取得することが可能です。他の従業員が同じ日に有給を希望して申請が殺到し、著しい業務への支障が発生する場合には時季変更を申し出られる可能性がありますが、有給の申請取得自体は自由です。

 

まとめ


有給取得は労働者の権利であり有給付与は会社の義務です。社内のしがらみに囚われず、労働者が遠慮なく申請取得できる社会が実現されるのが望ましいと言えます。

今後は年5日以上の有給取得義務化なども実施されるので、どんどん有給を自由に取得できる社会へと変わっていくでしょう。あなたも遠慮なく会社へ有給の申請をしてみて下さい。

 

文/福谷陽子

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