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プラスチックのない生活は日本ではあまりに過酷だった

仕事

2019.06.28

近年問題視されている“プラスチックごみ”。以前環境省が公開したデータによると、日本では毎年2万~6万トンのプラスチックが海洋に流出しているそうです。ところでそんな“プラスチック”が世界から消えたら、生活はどのように変化するのでしょうか。

 

“ノープラ生活”を実践してみたら…?


今年6月に放送された『クローズアップ現代+』(NHK)では、ディレクターの池上祐生さんがプラスチックを使わない“ノープラ生活”に挑戦。想像以上に困難な生活っぷりを目の当たりにし、視聴者からは驚きの声が上がっていました。

 

まずは家にあるプラスチックを使った製品を運び出すところから。例えばお風呂場からは、歯ブラシ、歯磨き粉、シャンプーの入れ物、桶、ナイロンタオルなどが撤去されています。またキッチンは家電製品のほとんどにプラスチックが使われており、電子レンジや冷蔵庫などもアウト。そして衣類もプラスチックが混ざっているものが多く、家に残ったのはパンツ2枚にシャツ5枚だけでした。

 

最後に銀行カードや免許証、スマートフォンなど、プラスチックが使われている貴重品を先輩ディレクターに預けて“ノープラ生活”開始。プラスチック製品の撤去作業に、視聴者からは「こんなにプラスチック製品が多いなんて!」「自分たちってプラスチックに囲まれて生きてるんだな」といった声が寄せられていました。

 

家の外にもプラスチックが盛りだくさん!


池上さんが外出しても、街にはプラスチック製品で溢れかえっていました。彼は代用品を探して買い物に出かけ、まずは「これがないと何もできない」と“メガネ”を購入することに。しかしメガネ屋に置いてある商品はほとんどプラスチック製のレンズで、80年代まで主流だったガラスレンズは在庫を常備してないそうです。

 

また食材を購入するだけでもまさかの苦難が。池上さんが立ち寄ったスーパーではほとんどプラスチックの包装で食材が包まれており、「冗談抜きでひとつも買えないですね。まじか」と落胆していました。その他衛生用品や傘といった生活必需品も大体プラスチックが使われており、何も購入できないという深刻な事態に。その結果池上さんは数日で限界を感じ、「使い捨てではないプラスチック製品は使用するが、ごみは出さない」というルールに変更しています。

 

しかしそんな中でも、プラスチック無しで生活するための様々な知恵が。例えば肉や魚は昔ながらの「経木」というトレーに入れてもらい購入。青果店では野菜を新聞紙にくるんでもらっていました。また歯磨きには竹で作られた「竹歯ブラシ」を使い、歯磨き粉も植物性のグリセリンやハッカ油をまぜた手作りのもの。食材を保存するためのラップは、“蜜ろう”を染み込ませた布で代用しています。

 

日本はプラスチック大国!?


このような“ノープラ生活”は、視聴者にどう映ったのでしょうか。まず見かけるのは「日本はプラスチックを使い過ぎでは?」という意見で、「もっと他の素材を使った商品が増えればいいのに」「とくに“包装”でプラスチックが多い気がする」などの声が寄せられていました。確かに昨年公開された「国連環境計画(UNEP)」の報告書によると、日本の“1人当たりの使い捨てプラスチックごみの発生量”は世界第2位。まさに“プラスチック大国”と言っても過言ではないのかもしれません。

 

一方で「プラスチックの有能さが際立った」「プラスチックごみは確かに問題だけど、代用できる素材がないと減らすことは難しいと思う」「プラスチック製品がたくさん作られるのも納得」といった感想も。神戸大学名誉教授の石川雅紀さんも番組の中で、プラスチックについて「安いということと、もうひとつ言うと、他のものではできないことができる」と語っていました。

 

かなり過酷そうな“ノープラ生活”ですが、人々にプラスチックについて考えてもらう契機になったようです。

 

文/長谷部ひとみ

 

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