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夫婦で半年以上の育休取得した2組のリアル「お前がいなくても会社は動く」

仕事

2019.12.14

日本では、男女の区別なく育児休業を取得できると定められています。

ただ、厚生労働省の2018年度雇用均等基本調査によると、男性の育休取得率は6.16%で、うち5日未満が36.3%。2週間未満の取得が7割を超えています。

 

そんな中、長期の育休を取得する男性も出てきています。

今回インタビューしたのは、いずれも第2子出産後に夫婦で同時に育休を半年以上取得した2組です。2018年度の調査で、半年以上の育休を取得した男性は取得者のうち4%。非常に珍しいのが現状です。

取得してみて実際どう?を具体的に聞いてみました!

 

お話を聞いたご夫婦

小森一将さん・まりえさん夫婦

千葉県在住。3歳長女と0歳長男の子育て中。一将さんは大手鉄道会社勤務で、長男誕生後、2019年4月から7か月間の育休を取得。

 

古谷野謙太さん・こえりさん夫婦

東京都在住。3歳の長女と0歳の長男の子育て中。謙太さんは大手金融機関勤務で、長男誕生後、2019年3月から1年間の育休を取得。

「お前がいなくても会社は動く」

小森一将さん・まりえさん

長男をあやしながら話す小森一将さん・まりえさん

 

──男性が長期で育休を取得するというのはかなりの少数派です。まずは、取得のきっかけを教えてください。

 

小森一将さん

僕は第1子の時も子どもが7か月のころに1か月育休を取得したのですが、生活に慣れてきたところで終わってしまい、もう少し長く取らないと意味がないなと思いました。それで、「第2子ができたら長く休みます」とは会社でも言っていたんです。

なので、出産予定日が分かった時点で、妻には相談せずに上司に「育休を1年くらい取ります」と言いました。その後妻と話し合い、6か月を超えると育児休業給付金が少なくなることもあり、7か月の取得に落ち着きました。

 

──一将さんの方から主体的に動いたんですね!上司の反応はどうでしたか?

 

一将さん

長期で育休を取得する人はいなかったので、「前例ないぞ」と言われました。でも、「制度はありますよね」「会社は断れないですよね」と。

育休を取得することでキャリアに響くようなら辞めてしまおうと思っていました。

 

──強い…!周りの若手にとっても心強そうです。

 

一将さん

みんな長めの育休を取りたいけど取れない、という状態だと思うんです。だから、やりたいならやればいいじゃん、と後輩には言っています。「お前がいなくても会社は動くから」と。

中小企業だと難しい部分はあるかもしれないけど、うちの会社は穴を埋めることはできますから。でもなかなか、周りを気にしているのかみんな休まないですね。

 

妻の不安を解消 安心して出産・育児へ

古谷野謙太さん・こえりさん

古谷野謙太さん・こえりさんも、長男を連れてインタビューを受けてくれました

 

──古谷野さんの育休取得のきっかけはなんですか?

 

古谷野謙太さん

私は第1子の時、会社が取れ取れというので有給を5日間取得しました。

今回は妻からのプレッシャーもありましたが(笑)、実際上の子を見ながら下の子の育児をするのは厳しいと思いました。

また、妻が1人目の育休の時に「自分の仕事について考える良い機会になった」と言っていたのが印象に残っていたので、不安はあるけれど育休をチャンスにしようという気持ちで取得を決めました。

 

──周りの反応はどうでしたか?

 

謙太さん

取得を決めていつ言おうかと思っていたところで、育休取得予定の期間の仕事の話が来たので伝えました。取得の3か月前くらいです。

ちょっと人員がきつい部署なのですが、人事から「育休は止めてはいけない」という話がもともと回っていたこともあり、「そうか。上と話すね」という冷静な反応でした。

それからは、女性が育休を取得するときと変わらず、仕事を整理していく感じでしたね。

 

──やはり妻のこえりさんとしては長く育休を取ってほしいという思いが強かったんですね。

 

こえりさん

そうですね。妊娠中から1人目が赤ちゃん返りしていたので、生まれたらこの子はどうなるんだろうと思ったし、私自身も2人の育児に対して不安がありました。

また、夫が言っていたように、私自身、1人目の育休で普段の仕事とは違う分野のマーケティングを学んだり会社員でない働き方についても考えたりして、すごく視野が広がったんです。だから夫にもぜひ取得してほしいと思いました。

 

──謙太さんが迷っているときには、どう働きかけたんでしょう?

 

こえりさん

夫はもともと家事育児をやる人だったので素養はあると思っていました。

ただ、無理やり取ってもらっても仕方ないので、自分で決めてほしい。一番ネックなのは情報が無いということだと思ったので、男性の育休に関する記事や情報を夫に送ったりしていました。

 

──情報がないと不安ですよね。周りにロールモデルもいないことが多いですし。まりえさんは、一将さんが長い育休取得を決めた時、どう感じましたか?

 

まりえさん

不安を感じる前に言い出してくれたので、すごく感謝しています。

1人目の時、実家からも遠くて友達もいない環境の中、スーパーや支援センターも行きづらい場所にあったのですごく苦労したんです。寝ない子だったので朝方まで抱っこし続けたり…。休むと言ってくれたことで、不安なく出産を迎えられました。

 

──子育てする人が2人いることで体力的に助かるのはもちろんですけど、精神的にも安心感がありますよね。

 

みんな最初は失敗する。それでも任せよう

山口さん、古谷野さん夫婦

 

──みなさんのお父さん世代はもっと家のことをあまりしなかった方が多いと思いますし、同年代でも個人差があると思います。謙太さんや一将さんはもともと家事や育児に積極的だったんですか?

 

謙太さん

僕は父が小学2年生のころに亡くなっているので、3人きょうだいの一番上として妹の世話もしていたこともあり、自然にやっていましたね。

 

こえりさん

ロールモデルがいないのが逆に良かったのかもしれないね。

 

一将さん

僕は高校から一人暮らしをしてきたので自分のことは自分でできます。あとは子どもが好きなので、子育てはやりたいと思っていました。

父親は家のことをしない人で、「少しはやれよ」と思っていたのが、逆に今につながっているかもしれないです。

 

まりえさん

少し話がずれますが、うちの父は、自分の娘である私を育てていた時には何もしない人でした。でも夫がこういう人な上、私がどんどん頼むので、だんだん孫の世話ができるようになってきたんです。

今はお風呂もひとりで入れられるし、お迎えも行ってくれます。

 

──なるほど!やる機会をどんどん増やすことでお父さんも変わっていったと。

 

一将さん

(まりえさんの)お父さんは、最初は抱っこするのも怖かったそうなんですよ。でも、できるようになると楽しい、やって良かったって言っていました。

やったことないことって誰でも怖いし、失敗しますよね。でもそうすると妻に怒られる。そうするとやらなくなる。っていう堂々巡りだと思います。

普段やらない人がやっただけで80点あげてほしいです。

 

まりえさん

私はママコミュニティの代表もやっているんですが、「旦那さんが育休取ったって使い物にならない」「自分がやった方が楽」っていうお母さん、たくさんいるんですよね。

大変なのはすごくよく分かるんだけど、女性も男性に対して家庭での活躍の場を与えてあげてみてほしいなと思います。

 

こえりさん

お母さんたちの方がなんでもできちゃうからね。ぜひ「人に任せる」っていうのを学んでほしいと思う。

「人に任せる」ってことに罪悪感を持つ人もいますよね。「旦那さんに任せるのは悪い」とか。できる前提で一度任せてみてほしいなと思います。

 

 

お父さんが育休取得を決めたことで、お母さんたちが心の余裕を持って出産・育児に勧めたことが伝わってきました。

家事や育児をうまくこなせないお父さんにイライラしてしまうお母さんは少なくないと思いますが、慣れていないことがうまくいかないのは当たり前。長い目で任せ続けてみる、というのも、協力体制をつくる一つのコツなのかもしれません。

 

「夫婦同時に育休取得『子供との時間は戻らない』」では、さらに詳しく、取得して感じたことや迷っている人に伝えたいことなどを聞いています!

 

取材・文・写真/小西和香

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