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夕飯はうどんか冷凍チャーハンがいいな…妻への思いやりが大炎上の理由

コミュニケーション

2019.12.24

夫が妻をイラっとさせない言い換えテクニックとして紹介された「夕飯は簡単なものでいいよ、ではなく、うどんか冷凍チャーハンを選ばせるといい」「赤ちゃんが泣いたら、ママじゃないとダメなんだよね~と特別扱いすればいい」というアドバイスがSNSで話題になりました。

 

2019年12月、テレビのバラエティ番組内で「内心イラっとする言い方とイラっとしない言い方」というテーマで上記の言い換え術が紹介されましたが、これに対し「言い方の問題ではなく、そもそも家事育児は妻がするものという前提になっているのがおかしい」と、SNSなどで主婦・女性を中心に批判が続出しました。

 

今回は、この背景にある社会的な認識のずれや、日頃見過ごされやすい女性の負担などについて考えてみます。

「夕飯は簡単なものでいいよ」→「チャーハンかうどんがいいな」に変えてもダメなのはなぜ?

番組で夫婦ゲンカの原因について調査した結果、家事のやり方や生活態度など色々ある中で、ランキング第1位は「物の言い方が悪い」だったそうです。

 

なかでも、

 

「今日の夕飯簡単なものでいいよ」

 

に一番イラっとくる!という妻の声が最も多かったとのこと。

 

夫の言い方が悪いせいでケンカになってしまうのなら、言い方を変えてみると良いのでは?

と、スタジオで男性出演者がいろいろな場面での言い換えを予想。そして「伝え方」について書かれた書籍の著者から、「こう言うのが正解」と夫婦間が円満に進む言い方が紹介されました。

 

「今日の夕飯簡単なものでいいよ」

 

に正解として発表された言い換え例は

 

「ご飯、うどんか冷凍チャーハンがいいな」

 

でした。

 

番組内では、この言い方がおすすめな理由は次の2つだとしています。

 

  1. 1.「簡単なものでいい」と言われると選択肢が多すぎて負担を感じ、イライラしてしまう。心理学の「選択の自由」という技術を応用し、「AかBどっちがいいですか?」と聞いてあげると選びやすく、やらされている気がしないので相手は腹が立たない。
  2. 2.「◯◯でいい」はどこか妥協したような感じになってしまうが、「◯◯がいい」に言い換えることで、「自分の願望」として伝えられるので相手はイラっとしない。

 

しかし、SNSではこれについて「前提がそもそもおかしい」として批判が集中。

 

「作らない立場の人間がメニューを指定してくるのは果たして親切なの?本当にねぎらう気があるなら、チンして配膳して後片付けまでやってね」

 

「共働きなのになぜ家事も共にやろうという発想にならないのか…?」

 

「うちは、疲れてるでしょ?帰ったら俺が作るからゆっくりしてて、と言われるので家庭円満ですよ。令和の時代にこんなの本気ですか?」

 

「これって結局、妻を使うための言い方だよね、言い方あれこれ考える前に自分も動いて!」

 

などの疑問や批判が多く見られました。

 

食事については他にも、

 

「ご飯まだ?早く食べたいんだけど」

 

のかわりに

 

「おいしそう!早く食べたいな」

 

と、先にポジティブなことを言えば相手も喜んで受け入れたくなる…というテクニックを紹介していましたが、これに対しても

 

「それはお皿や箸を並べるなり、夫も動いてこそうれしい言葉だよね。座ったままそう言われても、あなたは子ども?って思っちゃう…いや子どもでもお手伝いするわ」

 

などの声が。

 

実際、出演していた男性タレントの1人は当初「夕飯簡単なものでいいよ」の言い換え例として

 

「牛丼買って帰るね、君は何がいい?」

 

と書いており、SNSでは女性たちから「それが正解」とたくさんの賛同の声がありましたが、番組内ではこの回答にはほとんど触れられていませんでした。

 

つまり、このコーナーでの「自分は行動せず、あくまでも家事をするのは妻で、いかにそれを機嫌よくやってもらうか」という前提が今回の炎上の原因だったといえます。

「ママじゃないと泣き止まないんだよね」…本質を見ないおだて作戦にママたちからダメ出し

もう1つの例として挙げられていたのが

 

「赤ちゃんが泣いているよ」

 

ではなく、

 

「こういう時はママじゃないと泣き止まないんだよね」

 

と言い換えると妻はイラっとしない…というもの。

 

人は「あなただけに」と特別扱いされると気持ちよく頼みを聞いてあげられるという技術を応用したそうですが、これに対しても多くの疑問の声が上がりました。

 

「ママに特別な力があるわけじゃなく、泣き止むまで色々やってるから泣き止むだけ。夫でも同じこと。真に受けて妻にそんなこと言ったらもっとイラッとさせてしまうのでは」

 

「ママでも泣き止まない時いくらでもありますよ」

 

「家庭で、赤ちゃん泣いてて夫がどうしても抱っこできない状況ってそんなにある?言い方うんぬんでなく、その人任せな姿勢に対して妻はみんなイラっとしてるんだと思う」

 

「うちの夫は番組を見てて、自分の子くらい自分で泣き止ませろよ、なんでママを呼ぶことが前提なんだよと言ってます。最高の人と結婚したなって思いました」

 

「ママじゃないとダメなんだよね~だけじゃなく、どうやったらいいかな?と聞いてくれれば喜んで一緒に悩むし教えます!」

 

と、子ども相手や職場などでしばしば使われる「おだて作戦」は、本来自分もやるべきことを相手任せにする時には通用しないと、ママたちからダメ出しされた格好になりました。

まだまだ家事育児には「認識のずれ」がある

ちなみに、出演していた男性タレントの回答をよく見てみると、意外と妻たちの感覚に近いものもあり、むしろ彼らは家事や育児に対して協力度や共感力が高いことがうかがわれます。

 

しかし、視聴者で夫側の立場の男性からは、

 

「なんでこんなことで気を使わなければいけないのか」

「何も言えないじゃないか」

「主婦なんて昼間遊んでいるくせに」

 

という反応もあり、「夕食は妻が作るもの」「赤ちゃんが泣いたら妻が世話するもの」と無意識に思い込んでいる人もまだ多いようです。

 

たしかに、実際に夫が食事作りをしたり赤ちゃんをあやしたりすると「そうじゃない」と妻が事細かに指示や文句をつけることもあり、夫側は別の点でイラっとしていることもあるかもしれません。

 

伝え方を工夫することはもちろん必要ですが、その前に「いかに相手を動かすか」という発想ではなく、家事も育児も夫婦で共有し、いま自分にできることは何かを考える視点を持ちたいですね。

おわりに

昭和の時代であれば見過ごされてきたかもしれない今回のような番組のスタンスも、少しずつ「ちょっとおかしいのでは?」という声が男性・女性双方から上がる時代になってきました。

 

今後も、夫婦や親子に寄り添った視点で気付いたニュースがあれば随時取り上げていきたいと思います。

 

文/高谷みえこ

参考/TBSテレビ『この差って何ですか?』 https://www.tbs.co.jp/konosa/archive/20191217.html

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