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他人事じゃない!学校でのSOGIハラ(ソジハラ)ってなに?

子育て

2020.07.19

皆さんは「SOGIハラ(ソジハラ)」という言葉を聞いたことはありますか?

 

ハラスメントといえば会社企業で起こるもの…というイメージがありますが、学校現場でも先生間の「パワハラ」や児童生徒への「セクハラ」など、起こってはならないハラスメントが報道されることがあります。

 

今回は「SOGIハラ」とはどんなハラスメントなのか、親として気をつけるべきことやできることは何かを解説します。

 

「SOGIハラ」とは?

「SOGIハラ(ソジハラ)」はちょっと聞き慣れない言葉ですが、2016年頃から「なくそう!SOGIハラ実行委員会」が提唱して広まり、現在では国会やニュース番組などでも使用されるようになりました。

 

「SOGI」は正式には「Sexual orientation and gender identity(性的指向及び性自認)」といい、

 

  • 恋愛感情を抱く相手(性的指向)
  • 自分で自分の性をどう認識しているか(性自認)

 

の2点について、多数派と異なるからといって笑いものにしたり、矯正しようとしたり、勝手にいいふらしたり…といった行為(ハラスメント)が「SOGIハラ」にあたります。

 

近年、人の性は「男性または女性」で「異性に恋愛感情を抱く」という2種類だけではなく、もっと多様性を持ったものであるという認識が広まりつつあります。

 

その一方で、いまだに大人も子どもも

 

「あの人、おネエみたい~気持ち悪い!」

 

「AちゃんとBちゃんていつも一緒にいるよね、レズなのかな?」

 

などと揶揄する言動はいたるところで見られます。

 

いま、世界中が取り組もうとしている「SDGs(持続可能な開発目標)」でも、性の多様性について明記はされていませんが、元国連事務総長はインタビューの中で、SDGsで提唱する「すべての人を取り残さない」には、ハンディキャップや人種などによるマイノリティ以外にもLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の人々も含まれていると明言しています。

 

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SOGIハラが他人事ではない理由

こう聞くと「でも私はLGBTじゃないし、まわりにもいないから…」と、他人事のように感じる人が多いかもしれません。

 

しかし、2018年に行われた調査では、日本人の中にLGBTの当事者は11人に1人の割合でいると言われています。

 

さらに、当事者の家族やパートナー・そのことを知っている親しい友人などを含めると、関係する人の割合はもっと増えるでしょう。

 

ただ、例えば、もし自分がゲイであったとしても、まわりがLGBTの人をネタにして笑ったり「キモイよね」などと言い合っている場で

 

「私はゲイだからその話は傷つきます、やめてください」

 

とはなかなか言えないはず。

 

また家族や友達がLGBTであっても、本人が公表してほしくないと思っているケースが多いため、なかなか抗議しにくいでしょう。

 

「自分のまわりにはいないからあまり関心がない、関係ない」と思うのは、自分がただ知らないだけかもしれません。

 

さらに、LGBTの当事者ではなくても、メイクに関心のある男性や化粧したくない女性、海やプールで上半身裸になりたくない男の子、スカートをはきたくない女の子…一般的な性別特有の外見を好まない人もいます。

 

そういう人に対して「女のくせに化粧しないなんてダメだぞ」といった言葉をかけるのも、実はSOGIハラの一種といえます。

 

こう考えると、SOGIハラは特別な人への差別やハラスメントではなく、実はすべての人に関係する話だというのが分かってくるのではないでしょうか。

 

親として気をつけること、できること

子育て中の親として、わが子にSOGIハラをしない・させないために、何ができるでしょうか?

 

できること 1:話を聞ける親でいる

ひとつめは、わが子がもし自分自身の性的指向や性自認で悩んでいたら、否定せずに本音を聞くことと、言える雰囲気を作っておくこと。

 

「気持ち悪い」と言ったり、直そうとするのは論外です。

 

もしも親が、小さいときから「男のくせに女々しく泣くな!」といった叱り方をしたり、バラエティ番組で同性愛を揶揄した内容で大笑いしていたら、なかなか話そうと思えなくなるでしょう。

 

さらにいえば、生活全般で、単にママ・パパの好みに合わないものを選んだときに頭ごなしに叱ったり、無理に変えさせたりするような接し方であれば、「きっとママは悲しむ」「パパは怒るだろう」と感じ、本当の気持ちが言えなくなってしまう可能性があります。

 

できること2:学校と交渉する

子どもがLGBTの当事者であったり、身体上の性別で何かを強制されて困っている場合、親は子どもの理解者となって困っている点を整理し、学校に配慮をお願いしましょう。

 

これまで、心は男なのに戸籍上は女なためにスカートの制服を強制され、苦しい学生時代を送ったという人も多くいたことが分かっていますが、近年は性別にかかわらず好きな制服を選べる学校も少しずつ増えています。

 

関連記事:港区「男女平等参画条例」改正で性別に関係なく制服が選べる

 

できること3:他の子を傷つけないように伝える

もし、子ども同士で遊んでいるときや、学校での出来事を子どもから聞いているときに、「○○くん、女みたいで気持ち悪い」などの発言を聞いたら、「男の子らしく、女の子らしくってなんだと思う?」とたずねてみて下さい。

 

そして、「男の子らしくすること、女の子らしくすること」は強制されるものではなく、みんなが自分らしくふるまっていいんだということを伝えてあげて下さい。

 

話しているうちに、ママやパパ自身にも思い込みがあることに気づくかもしれません。

 

また、わが子が友達から「LGBTの当事者である」と打ち明けられた時の対処も伝えておけるといいですね。

 

「戸惑うと思うけど、勝手に人に話さず、まずその子にどこまで話してもいいか確かめてね。あなたも誰にも言えないのは苦しいだろうから、お母さんにだけ話してもいいか聞いてごらん。お母さんは絶対、誰にも勝手に話さないから」

 

といった話を、親の話に反発しやすい思春期に入る前、10歳前後で伝えておけるとベストです。

 

できること4:職場でもSOGIハラをなくす

2020年6月1日からは、300人以上の企業に対して「パワハラ防止法」が施行されました。

 

この法律の中には、「相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動」や、勝手に従業員の性的指向を他の人に広めてしまうこと(アウティング)がパワハラ事例として含まれ、企業にはそれを防止する義務が課せられます。

 

300人以下の中小企業も2021年4月には同じように防止策が義務づけられます。

 

職場でリーダーや上司として働くママ・パパもいることと思いますが、「自分の職場にはLGBTの人はいないから、SOGIハラとは関係がない」と思ってしまうことなく、「言い出せない雰囲気を作っていないか」「辛い思いをしていないか」と想像してみることも大切。

 

子どもたちが将来働く年齢になったときの、生きやすい未来を作ることにつながります。

 

ぜひ、思い込みや先入観を捨てて職場環境も見直してみて下さいね。

 

文/高谷みえこ

参考/令和元年度職場におけるダイバーシティ推進事業について|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/0000088194_00001.html

厚生労働省「ハラスメント対策パンフレット」 https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000656438.pdf

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