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キレやすい子供の原因は…性格、それとも病気なの!?

子育て

2019.08.01

キレる子供

カッとなって暴れたり大声を上げる「キレやすい子ども」という言葉を耳にするようになってずいぶん経ちますが、あなたのお子さんや周りの子どもたちを見ていて、「最近の子はキレやすい」と感じることはありますか?

 

今回は、怒りを表現するときに必要以上に暴れたり暴力に訴える子は本当に昔より多いのか、原因は何なのか、治す方法はあるのか…等について考えてみました。

 

「キレやすい子供」は昔より増えている?


「キレる」とはどのような状態のことでしょうか?

昔からあった日本語ではありませんが、現代では広く通用すると思います。

 

通常、人は怒りの感情を表すとき、まずは表情や言葉で伝え、それが理不尽に無視されたり否定されたりすると大声を出すなどし、相手から攻撃的な反応が返ってくると暴力に発展する…という段階を踏みます。

ところが、最初の段階から大声で怒鳴り出す、いきなり暴力をふるうなど、通常で考えられないような急激な怒り方をすることを人は「キレる」と呼ぶのではないでしょうか。

 

子どもたちに限定して見てみると、文部科学省が公開した平成29年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」で、小学校での暴力行為の発生件数は28,315 件。

 

前年度の22,841 件より増加しているのもさることながら、平成17年度の3803件と比べ、なんと約15年間で6倍にもなっているんです。

 

実は、中学生では、もとの件数こそ多いですが、年々少しずつ暴力行為の件数は減り続けています。小学校だけで暴力行為が激増していることも気になりますね。

 

子供がキレやすい原因は


成長過程にある子どもが、普通に腹を立てたり文句を言ったりするのはごく当たり前のこと。でも、いきなり必要以上に怒り出す「キレやすい」精神状態はなぜ起こるのでしょうか?

 

脳の仕組みからみた「キレやすい子供」の原因

脳科学的に説明すると、「キレる」=感情の制御ができない状態を指すそうです。

 

ヒトの脳の中で、他の生き物と比べて大きく発達しているのが、前頭葉の「前頭前野」と呼ばれる部分。

 

記憶や感情を制御したり、衝動的・動物的な行動を抑制する働きがあるといわれていますが、実は、脳の中でも一番ゆっくり発達し、年をとると最初に衰えていく部分だそうです。

 

つまり、大人でもキレやすい人というのは、前頭前野が人より未発達(もしくは衰えていく段階)かもしれないということですね。

 

発展途上の子どもなら、さらに個人差があるといえます。

 

また、上記の前頭前野がスムーズに働くには、脳内の神経伝達物質「セロトニン」が十分に分泌されていることが大切。

 

セロトニンが不足すると精神状態のバランスを保ちにくくなり、夜はよく眠れなくなる一方で昼間は気分がすっきりせず、ちょっとしたことで悲観的・感情的になると言われています。

 

セロトニン不足になる原因としては、運動不足やストレス、睡眠不足などが挙げられます。日本の子どもの睡眠時間は減り続けており、世界の中でも飛びぬけて短いことで知られていますので、睡眠不足は「キレやすい子供」の原因のひとつといえるかもしれません。

 

心理的にみた「キレやすい子供」の原因

子どもだけではなく、大人でも、「なぜこんなことで?」というような理由で突然激しく怒り出す人は、心理学的にいうと「認知の歪み」が起きている可能性があります。

 

ボールを貸してもらえなかった時に「相手は夢中で気付かなかった」と考えられずに「僕を嫌いだから意地悪をした!」と思い込んだり、「テストで90点も取れた」ではなく、「10点も失った」部分にばかり意識を集中してしまったりするのは、認知の歪みの一例です。

 

その結果、頭の中が怒りでいっぱいになり、叫んだり暴れたり殴りかかったりしてしまうのが、心理学的に「キレる」原因のひとつだと言われます。

 

 

この子がキレやすいのは性格・病気・障害、それとも…?


「うちの子、最近ほんとにキレやすくて…」

 

生まれつき気性が激しく何をしても変わらないのか、それとも何かの病気や障害の影響なのか、育て方が悪いのかと悩んでいるママやパパもいるかもしれません。

たしかに、自閉症のお子さんでは、セロトニン代謝のトラブルでかんしゃくを起こしやすいといった特徴も見られます。

 

しかし、平成12~13年に全国の「キレる子ども」の保護者や担任教師を対象にした調査では、ADHDなどの発達障害や情緒障害の子をのぞいて集計したにも関わらず多数のケースが報告され、一概に病気や障害が理由とはいえないことが分かります。

 

もちろん発達で気になる様子があれば、受診することでそれだけ早くベストな接し方や対応ができるため、それ自体は良いことです。

 

いっぽう、「今年に入ってから急に攻撃的になった」「学校でクラスメイトに暴力をふるうことが続く」などそれまでと急に様子が変わった場合は、いじめやなんらかのトラブルが隠れている可能性もあります。

家では、子供の話を頭ごなしに「あなたが悪い」と決めつけず、まずうんうんと耳を傾け、本音を話しやすい雰囲気を作ってあげて下さい。

 

また、参観やPTA活動でできる限り学校に足を運んだり、信頼できる他の保護者や先生(以前の担任など)に子供の様子を聞いてみるなど、学校生活で苦しんでいることはないのか探ってみた方がいいでしょう。

 

「キレやすい子供」治す方法はある?ママやパパのイライラにも有効


生まれつき「キレやすい子ども」というのはいるのでしょうか?

 

多少の感情の起伏の激しさなどはその子の性格によるものかもしれませんが、どちらかというと、一時的に「キレやすい状態」になっていると考えた方がいいかもしれません。

 

そうなら治る見込みは十分にあるということ。改善するには次のような方法がいいとされています。

 

まず、感情のコントロールを司る「前頭前野」を活性化させるには、定期的に思いきり体を動かして遊ぶのが有効だそうです。

それも決められた遊びではなく、自分たちで主体的に決めて遊ぶときにもっとも前頭前野の活動がアップすることが分かっています。

 

次に、「たとえ腹が立ってもいきなり相手を殴るのはいけない」という理性が育つまでには、幼い時からの粘り強いトレーニングが必要。

保護者や保育者は一貫した基準を持って「よくないことはよくない」と落ち着いて子どもに伝え続ける必要があります。

 

もちろん脅したり暴力でいうことを聞かせるのは逆効果です。

 

子どもが自分で感情をコントロールするまで付き合うことができるようになれば、長い目で見るとママやパパのイライラも軽減できそうですね。

 

「キレやすい子供」には食事も少し見直してみて


最近では、食べ物や飲み物の内容によって人の精神状態が大きく左右されることが分かってきています。

 

中でも「キレやすい子供」にもっとも関連があると考えられているのが糖分の取りすぎです。

空腹時に、精製された炭水化物や甘いお菓子などをいきなり摂ると血糖値が急上昇。体は急激な血糖値の上昇を抑えようとして「インシュリン」をたくさん分泌します。

 

すると1時間半ほどしてインシュリンの効果で体はこんどは低血糖状態になり、だるさや眠気・イライラ・集中力の低下といった症状が表れます。

 

子どもの場合、元気な時なら平気なことにも腹が立って仕方ない、無性にイライラする…という状況になってしまい、「キレやすい」状態になると言われています。

 

特に、ジュース類は液体なので吸収が早いため要注意。スポーツドリンクや乳酸飲料も好きなだけ飲むと糖分の摂り過ぎになるため量を決めておき、基本的には昔ながらの麦茶やほうじ茶で水分補給するのがおすすめです。

 

食事も、たまにはファーストフードやカップめんだけというのは仕方ないですが、できるだけ野菜や海藻、大豆製品を多く取り入れた和食中心のメニューの方が、血糖値の急上昇は起きにくいといわれています。

 

さらに、2007年、英国サウサンプトン大学で行われた研究では、食品添加物を多く摂取した子どもたちのグループでは、集中力がなくすぐに感情的になって暴言を吐いたり暴れたりする子の割合が10%多く見られたとのこと。

英国食品基準局(FSA)では「全てが食品添加物の影響とはいえない」としながらも、心配な親は子どもの食品添加物の摂取量を控えるようにアドバイスをしています。

 

食べ物を変えるだけですべての問題が解決するわけではないですが、特にリスクもない方法ですので一度試してみてはどうでしょうか。

 

まとめ


最近では、「キレやすい高齢者」や「モンスタークレーマー(客)」などもマスコミで取り上げられ社会問題になっています。

 

大人でもキレやすい世の中、子どもがその影響を受けることになってはいないか、自らを顧みることも必要なのかもしれませんね。

 

文/高谷みえこ

参考:文部科学省「平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果1」

国立教育政策研究所/国立公衆衛生院(現国立保健医療科学院)共同研究

「突発性攻撃的行動及び衝動」を示す子どもの発達過程に関する研究(「キレる」子どもの成育歴に関する研究)概要」

 

 

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