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なぜ日本では、幼児の命そのものが尊重されにくいのか

子育て

2019.11.02

2019.12.01

子どもの虐待死がなくならず、行政の対応も問題視されている日本。

 

今年6月、親による体罰禁止や児童相談所の機能強化を盛った改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が成立し、一部を除き2020年4月から適用されることが決まるなど、少しずつ社会が動き始めました。

 

世界ではすでに子どもへの体罰が法律で禁止されている国も多く、北欧の国フィンランドもその一つ。子どもの虐待死はここ数年ほぼ0で、妊娠中から子育て中の切れ目ない支援も注目されています。

 

こうした背景を踏まえ、フィンランド大使館は9月下旬、フィンランドと日本の虐待に関する専門家を招き、フィンランドにおける対策と日本で生かすヒントについて考えるセミナーを開きました。

 

子どもの命を守るため、私たちはこれからどうしていくべきなのか。

フィンランドの事例を基に、考えてみたいと思います。

切れ目ない支援でリスクを把握

フィンランド・タンペレ大学のエイヤ・パーヴィライネン教授

セミナーでは、フィンランド・タンペレ大学のエイヤ・パーヴィライネン教授(保健学)が、フィンランドでは1984年から子どもへの体罰は法律で禁止されていると説明。

 

この法改正により意識が変わり、2017年の意識調査では回答者の9割の大人が「体罰は良くない」と考えているそうです。一方、回答者の4割が「体罰をしてしまった」と答えている現実もあり、「変わるにはとても時間がかかる」と指摘しました。

 

フィンランドで特徴的なのは、「出産・子どもネウボラ」と呼ばれる妊娠期から就学前にかけての子どもと家族を専門職がサポートする制度です。無料で利用でき、ほとんど100%の親子が平均で20回ほど通って育児の相談をしたり予防接種を受けたりするといいます。

 

そうした場では、子どもの虐待リスクを測る尺度として世界的に用いられている「CAP」と呼ばれる調査票をもとにして作られた短縮版「BriefCAP」が各家庭のリスクを探る際に使われているそうです。

 

BriefCAPは25の質問項目で経済的な不安定さや育児に関する厳格さなどをたずねてリスクを測定するもの。パーヴィライネン教授は「BriefCAPを使わなければ、虐待のリスクなど難しいことについて話し合いを始めること自体が困難」とし、親の心配事を話題にするきっかけになっていると強調しました。

 

現在、より良い使い方ができるよう、親の回答ごとにどのように話し合いを始めるべきかなどを記したガイドラインを作成しているそうです。「専門職は親にもっと話すよう促したり、話し合いを続けられるよう働きかけたりすることが大切」と話していました。

 

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