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「テレビが子守」時代の終焉と子どもの成長に対する新たな懸念

子育て

2019.08.05

テレビを見る子供

赤ちゃんや子どもには、できればテレビはあまり長時間見せたくないというママ・パパは多いと思います。

しかし実際は、他の家族の生活リズムや、どうしても家事を片付けないといけないなどの理由で、テレビをつけている時間帯ができてしまうのが現実。

 

今回は、育児中の家庭ではどのくらいテレビをつけているのか、またテレビ以外のメディアを利用する人はどのくらいいるのか…などを、育児中のママ・パパへ独自アンケートを実施し調べてみました。

 

他の家庭では、子どもとメディアの関わりについてどのような方針を持っているのか、一度参考にしてみて下さい。

 

みんなはどのくらい子どもにテレビを見せている?


まずは、3歳までのお子さんを育児中のママ・パパに「平日、お子さんの起きているあいだにテレビがついているのは何時間くらいですか?」と質問してみました。

 

すると結果は以下のように。

 

  • 1時間以下 25%
  • 1~2時間 25%
  • 2~3時間 25%
  • 3時間以上 25%

 

と家庭によってバラバラでしたが、「まったくつけていない」という家庭はなく、お子さん自身が見ていなくても、ほぼ毎日テレビは1~3時間以上ついている状態ということがわかります。

 

医学的・教育的観点からみたテレビと子どもの関わり


家にテレビがある限り子どもにまったく見せないことは難しいかもしれませんが、だらだらとつけっぱなしにしていると子どもの心身や教育上で何か悪影響があるのではないか…というのは気になりますよね。

 

長時間のテレビ視聴は言葉の発達に影響?

日本小児科医会の「子どもとメディア委員会」では、2003年に全国の1歳半検診児を対象にした調査で、「長時間テレビ視聴している子どもたちに言葉の発達が遅れる傾向が確認された」として、次のような提言をしています。

 

1.2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
2.授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴はやめましょう。
3.すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを目安と考えます。
4.子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューター(※パソコン)を置かないようにしましょう。
5.保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。

 

その他にもテレビや動画が子どもにもたらす影響が

スマホやタブレットの視聴では、電磁波による脳の発達への影響や、ブルーライトで体内時計のリズムが狂う(夜泣きの原因)、目の焦点が近くで固定されることによる視力への影響なども指摘されています。

 

また、テレビやビデオを見ている時の子どもの脳は受動的状態となることが分かっていますが、それが長く続くと前頭葉の活動が低下し、いわゆる「キレやすい子ども」につながっていくおそれもあるとされています。

 

キレやすい子供の原因は…性格、それとも病気なの!?

 

そのほか、赤ちゃんは本能的に音や光、動きのあるものへ注意関心を向けるため、授乳中や食事中にテレビや動画が目に入ると、しっかり噛む・味わうといった食べることへの集中力が削がれてしまいます。

 

海外でのテレビと子どもの関係は?

子どもの3人に1人が3歳までに自分専用のテレビを部屋に設置するというアメリカでは、早くから長時間のテレビ・ビデオ視聴が健康に及ぼす影響が問題視されており、1990年に「2歳までは子どもにテレビを見せるべきでない」と勧告しています。

 

また、独自の教育方針で知られる「シュタイナー教育」でも、

 

学習の始まりの時期には、それぞれの文化に根ざした「アナログな」能力を培うことが、第一義となる。およそ12歳の頃に前頭葉が成熟し、それが衝動の制御と判断力の基盤となる。デジタル機器を扱うことは、この年齢以降、教育的に有効である。

 

として、小学生のうちはスマホやパソコン、ゲーム機といったデジタルなものに触れるのには適していないという意見です。

 

どうしても忙しい時には何を見せる?


いつも誰かが赤ちゃんや子どもの相手をしてあげられれば一番ですが、栄養バランスのとれた食事を食べさせ、毎日お風呂に入れて清潔な服を着せ、保育園などの準備を整えて…と思うと、特にワンオペの家庭では集中して家事に取り組む時間も必要になってきます。

 

そんな時、「子どもにしばらくテレビを見ていてもらうことがありますか?」という質問には、やはり92%のママ・パパが「はい」と答えています。

 

ただ、10年ほど前まではテレビまたはビデオ(DVD・ブルーレイ)のいずれかを見せている家庭がほとんどでしたが、現在では以下のような割合となっています。

 

 

若者のテレビ離れがいわれるようになって久しいですが、育児の場面でも、インターネットの有料動画または無料動画サイトをタブレットやスマホまたはテレビに接続して見せているという家庭が全体の3分の1に上ることが分かります。

 

テレビでなくインターネットの動画を選ぶ理由としては、

 

「既存のテレビ番組にあまり面白いものがない」

「NHKの教育番組は再放送も多く、子どもが飽きる」

「子ども自身が好きな動画を選んでいる」

「子どもはまだリモコン操作はできないが、タッチして見たい番組を選ぶことはできるので、料理や作業の手を止めなくてよい」

 

などの意見がありました。

 

いっぽう、DVDなどの作品を見せているという保護者からは、

 

「幼児向け雑誌の付録など、プロの作った映像作品の方が安心して見せられる」

「子どもが気に入っているビデオがあり、それを見せるとおとなしく待っていてくれるので」

 

という声が。

 

とはいえ、テレビ番組や購入したDVD・ビデオと比べると、インターネットの動画コンテンツは圧倒的に量が多く更新頻度も早いため、飽きることがないのが利点といえるでしょう。

 

あと10年もすれば、もはや「テレビが子守り」と例えられる時代は終わっているかもしれません。

 

 

ママたちが子どもとメディアの関わりで気をつけていること


育児中のママ・パパが、子どもにテレビを見せる時や、スマホやタブレットで動画を見せる時に気をつけているのは次のような点。

 

  • テレビガードや柵で、画面に近づきすぎないようにしている
  • 視聴時間を決めている
  • ブルーライトカット用のシートなどを貼っている
  • 30分に1回は遠くの景色を見るようにさせている

 

と目を守るための対策をとっている人がいる一方で、「特に何もしていない」という人も45%ほどいました。

 

「視聴時間が短いから」といった理由もありますが、筆者の小学生時代、メガネの子はクラスに4~5人程度だったのに比べ、いま授業参観に行くとクラスの半分以上の子がメガネをしていることも多く、違いに驚かされます。

 

テレビ・動画に関わらず、子どもの視力はできるだけ守ってあげたいですね。

 

まとめ


まったくテレビやインターネットに触れさせない育児は、ママやパパが希望してもなかなか実行が難しいかもしれません。

 

しかし、今回アンケートに答えてくれた家庭でも、ほとんどが何らかの方法で、無制限にテレビや動画を見続けることがないように工夫をしていました。

 

番組が終わるころになったらそばへ行き、次の予告や番組が始まる前にテレビを消すなど、ポイントを押さえてテレビや動画の見過ぎを防いでいきましょう。

 

文/高谷みえこ

参考:公益社団法人 日本小児科医会 子どもとメディア委員会「子どもとメディア問題に関する啓発資料/見直しましょうメディア漬け」

日本小児科学会 こどもの生活環境改善委員会「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」

米国小児科学会勧告:American Academy of Pediatrics. Committee on Public Education, Policy Statement Media Education. Pediatrics 1999;104:341―343.

日本シュタイナー学校協会「IT化社会と教育」

 

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