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産後、頭が回らない…それって「マミーブレイン」かも

出産

2020.12.30

妊娠中から出産後にかけて、「頭が回らない」「記憶力が低下する」「仕事でミスが続く」など、「私って頭が悪くなってしまったの?」と心配になった経験はありませんか?

 

実はこの現象は多くの出産後の女性が経験していて、アメリカでは「マミーブレイン」という名前もついているほどメジャーなもの。

 

しかし、意外と日本では知られていないため、1人で不安になったり自信をなくしたりしているママも多いといいます。

 

今回は、マミーブレインとはなぜ起きるのか、いつまで続くのかなどについて、ママたちに聞いた体験談も紹介しながら解説します。

「マミーブレイン」とは?

最近では、女性の妊娠~出産期のさまざまな心身の変化について、「マタニティブルー」「産後うつ」などの言葉が知られるようになりましたが、「マミーブレイン」という言葉を知っている人はまだ少ないようです。

 

しかし、妊娠後期になってくると、大きなお腹を抱えて動きが緩慢になるだけでなく物事の判断もゆっくりになってきたり、産後は出産時のダメージや睡眠不足などから頭がぼーっとしたり、物忘れがひどくなったり…というのは、多くのママが経験していることでしょう。

 

日本では昔は「産後ボケ」などとも言われていましたが、欧米でも20世紀初頭から研究が進み、出産を経験した女性の脳にはさまざまな変化が起こることを「マミーブレイン」と呼ぶようになりました。

 

マミーブレインで典型的なのは次のような状態。

 

  • とっさに適切な言葉が浮かばずうまく話せない
  • かんたんな説明が理解できない、覚えられない
  • ひんぱんにモノをなくしたり忘れたりする
  • 前は読めていたレベルの文章が読めない
  • 何人かに違うことを指示されると、どうしていいか分からなくなる

 

つまり記憶力・理解力・判断力などが大きく低下した状態で、実際にロンドン医科大学院の研究では妊娠中の女性の脳は一時的に最大7%も萎縮することが報告されているそうです。

 

なお、出産直後から10日頃に起こる「マタニティブルー」は、母親になったことへのプレッシャーや赤ちゃんの命を預かる緊張感を強く感じたり、とつぜん泣き出したり、焦り・ゆううつな気分・不安・集中力の欠如などが起こります。

 

これは出産で急激にホルモンバランスが変わるために起こるもので、マミーブレインとも一部症状は重なりますが原因は別です。

 

関連記事:産後に不安や涙が止まらない…これって産後うつ!?

マミーブレインが治らない…いつまで続くもの?

SNSでも「また財布忘れたー!出産まで1回もそんなことなかったのに」「やばい、市役所に出す書類がどうしても見つからない…」など、マミーブレインが原因と思われるミスや忘れ物をしてしまったという投稿が数多く見られます。

 

産後、それまでは考えられなかったような変化を体験をしたママたちに話を聞かせてもらいました。

 

「産後半年くらいまでずっと頭にもやがかかったみたいで、予定が全然覚えられないんですよ。うちの市は大型ゴミの回収を予約するんですけど、当日すっかり忘れてて、回収の人から電話が…あせって出したけど、回収チケットを事前に買って貼らないといけないのも忘れてて結局持って帰ってもらえず…毎日、子どもの検診や予防接種を覚えておくのが精一杯です」(Yさん・35歳・2歳児のママ)

 

脳の萎縮は産後6ヶ月から1年で元に戻るという説が有力です。

 

しかしNさん(37歳・3歳児と0歳児のママ)は、

 

「上の子の出産後から下の子が1歳になった今まで、ずーっとマミーブレインが続いている気がします…。バッグやスーパーで買ったものを忘れてくることも何回もあるし、自動券売機で1万円札で払って小銭だけおつりを取って9000円忘れてきたりとか、牛乳パックを無意識に冷凍庫に入れてたりとか。出産前は一度もなかったことを連発してます」

 

Nさんは、ワンオペで子どもたちから片時も目が離せないから、他がおろそかになるのはしょうがない、と自分に言い聞かせているそうですが、

 

「でも、このまま治らなかったら、あと3ヶ月で職場復帰なのにヤバイですよね…」

 

と焦りを感じているそうです。

実は「進化の一段階」という説も有力

「出産すると脳が5%~7%も萎縮する」と聞くとかなりショックで、もう前のようにテキパキ働けないのか…とあきらめそうになるかもしれません。

 

しかし、複数の研究で、出産や育児はたしかに脳に大きな影響を与えるけれども、それはむしろ「賢くなる」方向の変化であるという報告もあります。

 

米デンバー大学「家族・子供神経科学研究所」の研究では、出産前から女性の脳は特定の部分が発達し、赤ちゃんの安全などに集中するよう適応したり、より育児に時間が割けるように、記憶力や作業効率がアップする可能性があるとのこと。

 

たしかに、育児はマルチタスクの連続なので、それに適応しつつ家事も仕事も進めていくのは一種の進化だといえます。

 

赤ちゃんの時期が終わる頃には、仕事効率やスキルもぐんと伸びていてもおかしくないですね。

おわりに

過去、年代の出産予定の女性とそうでない女性のグループに分かれて産前産後の同時期に記憶力や計算のテストを受けてもらった過去の調査では、「出産しても記憶力や計算力に変化はない」という結果も出ています。

 

筆者の個人的な推測ですが、テスト中はお子さんを預けていると思われるので、ママたちも産前と同じ精神状態でいられたのではないでしょうか。

 

「子どもは私が見ていないと何が起こるか分からない」という緊張感の中で家事もして外出して用事も済ませて…となると、カバンを忘れてきたり、長い文章が読み取れなくなったりするのではないかと思っています。

 

つまり、「マミーブレインはいつまで続く?」は、個人差はあるにせよ、ワンオペ育児の期間が長いほど長引くのではないでしょうか。

 

ママたちがより安心・集中して働けるようなサポートが望まれますね。

 

文/高谷みえこ

参考/順天堂大学23593339 研究成果報告書「マタニティサイクルにある女性の認知機能の変化とその影響要因」 https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-23593339/23593339seika.pdf
THE WALL STREET JOURNAL JAPAN「出産すると集中力が落ちるのは本当か」 https://jp.wsj.com/articles/SB10513819889225894892604582099723092960032
書籍『なぜ女は出産すると賢くなるのか 女脳と母性の科学』キャサリン・エリソン著 ソフトバンククリエイティブ

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