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毎晩続く夜泣きにいつまでつき合うの…?トイレトレーニングが終わらない…!など、育児の悩みはつきません。自分を追い詰めてしまう前に、他の国に目を向けてみませんか?日本では当たり前の育児論も、海外では誰も知らないなんてことも。視野を広げれば、気持ちがラクになるかもしれません。日米での育児経験を元に、知ってほしい海外の情報をお伝えします。

 

[過去の記事はこちらから]
第1回|新生児との外出、アメリカの育児では当たり前!?
第2回|隠れたキッズメニュー注文でスタバが親子のオアシスに!
第3回|この夏ついに日本でも解禁の”液体ミルク”!そのメリットや上手な使い道は?
第4回|米国ワーママの必需品"さく乳器"で母乳育児にもう悩まない!
第5回|手作りはあり得ない⁉︎アメリカ育児の離乳食は市販がメイン
第6回|世界中で大ブーム!? 自主性を育てる離乳食・BLWって何!?
第7回|ネントレ「Cry it out」は夜泣きがつらいママにおすすめ!
第8回|これで寝かしつけいらず⁉️アメリカ流のネンネトレーニング!
第9回|アメリカのママも悩むTerrible twos(恐ろしい2歳児)
第10回|我が子の自己肯定感・自立心を高めるアメリカ式育児
第11回|オムツはずれが3日で完了?米国式トイレトレーニング
第12回|円満の秘密は"デートナイト"!夫婦のロマンスを絶やさない米国習慣で再確認できること

 

 [第13回 アメリカのワーママのコツ]

アメリカのワーママが
行なっている家事のコツや心がけとは?


共働き家庭が非常に多いアメリカ。前回お届けしたように日本と比べると夫側の家事への協力も大きいのですが、アメリカのママたちも仕事と育児・家事を両立させるために工夫しながら過ごしています。今回はそうした日々の工夫についてお届けします。

日本のママたちと同じく、両立のポイントは家事をいかに効率よく行うか。アメリカでは家事に割く労力や時間があるならその分家族との時間を増やすべきという考えが一般的で、洗濯乾燥機や食洗機など住宅に備え付けられている電化製品のほか家政婦やベビーシッターなどの外注サービスも上手に使っています。

また、アメリカのママ達もバタバタしがちな出勤前の朝の時間をどう有効に使うかに知恵を絞っているよう。

今回話を聞いたアメリカの働くママは「食事は週末に翌週の献立を決めていずれも10分以内に作れるものとしています。特に朝はシリアル、フルーツ、パン、スクランブルエッグやヨーグルト、オートミールやなど簡単に準備できて栄養のあるものを与えるようにしています。昼のお弁当もパスタやサンドイッチ、購入したお寿司や週末に冷凍しておいたミートボールなどをささっと詰めるなど簡単にしています」

さらに「翌朝、バタバタしそうな時は子どもに次の日着せる服を着せてそのまま寝かせる」「子どもの靴下は全部同じ色にしておけば、片足ない!と慌てることもありません」というアメリカらしい合理的なアイデアも。 また、朝急いでいるときにありがちなのが子どもの食べこぼしなどで通勤服を汚されること。慌ててしまいがちですが、「服の上に一枚シャツやパーカーを着ておきます。そうしたら子どもに汚されても、そのシャツを玄関で脱げば大丈夫だから」というコメントがありました。

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一方、夜時間のアメリカらしい工夫には、「ピザナイト」というイベントを設定するというものが。 「金曜の夜はピザナイトと決めて、スーパーやデリバリーでピザを購入してみんなで食べています。栄養に多少の問題があっても次の日に補えばいいし、それよりも家族みんなで楽しんで食事できることが一番だと思っているので」 疲れがたまる金曜日に料理を出来合いのものにしてしまうことでママ達もほっとできますし、毎週のイベントにすることで子どもたちもテンションが上がるそう。手料理が作れないことに罪悪感を感じるくらいなら、私たちもマネをして「ピザナイト」や「惣菜ナイト」などイベントにして盛り上がったほうが楽しく過ごせそうですね。


自分自身が満足して過ごしているかがカギ

忙しい日々の暮らしの中で、アメリカのママたちが家族と同じくらい大事にしているのは自分自身です。家族のために頑張っても、自分が犠牲になるようでは意味がありません。そのため肉体的にも精神的にも健やかでいれるように、通勤時間は自分の好きな本をポッドキャストなどで聞く、夜帰ってから軽い運動をするなど自分自身のメンテナンスを常に心がけています。 「どんなに忙しくても10分くらいなら毎日時間を取れるので軽いストレッチをしたり筋トレをするようになりました。ストレスを感じてもそこで体を動かすことですっきりするし、体力もつくしいいことばかりです」というママも。 マインドフルネスなどの瞑想などを日常的に取り入れている人も多く、バタバタする毎日でも気持ちを落ち着け自分自身を見つめ直す時間を取っているようです。

共働きが多いアメリカといえど、外に出て仕事をすることに罪悪感を覚えている人も実は多く存在します。州や企業で異なりますが、産前産後の休みは基本的に12週間ほど。日本と比べると産後すぐに仕事復帰しなければならないこともあり、まだ子どもが小さいうちから仕事復帰することに悩むママが多いようです。 そうした悩みや焦りが母親のプレッシャーになっている場合もありますが、そんな際に重視されているのはこの連載でも繰り返し登場した「ママが笑顔でいることが家族の幸せ」という考え方です。 話を聞いたママの中には「働いていることで子どもに寂しい思いをさせているのではと悩むこともたびたびありますが、私自身がハッピーでいないと子どもも悩んでしまう。そんなことがないように4歳の息子に、仕事や育児…もっと言うと自分の人生を楽しんでいるということをできるだけ伝えるようにしています。今はわからなくても、大きくなるにつれて彼自身が生き方について考えるヒントのひとつになればと思っています」という人も。 このママが話すように、一番身近な母親自身が自分の生き方に誇りを持っている姿こそが子どもにいい影響を与えるのかもしれません。私たちも自分自身が笑顔でいられる生き方をしているか考えてみる機会を持ちたいですね。

取材・文/阿部祐子