お金を銀行に預けておくだけでは、ほとんど増えない時代が到来しています。将来のインフレリスクに備えるためにも、「投資」についても積極的に検討していくべきというのが、近年主流の考え方となってきています。 投資信託は、初心者でも挑戦しやすい運用方法の一つ!「投資についてはあまり詳しくないけれど……これならできるかも!」と思う方も多いのではないでしょうか。 さて、そんな資産運用は「余裕資金で行うことが大切」と言われる機会も多いものです。なぜ投資は余裕資金で行うべきなのでしょうか。そして余剰資金とは、具体的にどういったお金で、どの程度の金額のことを指しているのでしょうか。投資をスタートする際に、知っておきたいポイントをまとめます。
■投資は「余裕資金」で行うのが原則! 余計なリスクを回避しよう
投資についてのアレコレを学ぼうと、いろいろなサイトや本を見ていると、「投資は余裕資金で行うもの」という文言が目立ちます。なんとなく「そういうものか」と思いつつも、「いったいなぜ?」という疑問が、頭をよぎる方も多いのではないでしょうか。 「投資は余裕資金で行うべき」と言われる理由は、余計なリスクを回避するためです。「元本割れリスク」は、投資を語る上で避けては通れない特徴の一つです。「投資=常にうまくいくもの」と捉え、生活資金の全てを投入してしまうと、後々厄介なことになる可能性が高まってしまいます。投資に失敗すれば、即生活が立ち行かなくなってしまうでしょう。 また余裕資金以外で投資をスタートしてしまうと、「ここぞという場面において、適切な判断ができない」ということも考えられます。 投資の状況は刻々と変化していくものですが、「今どうしても必要なお金」を用意するため、「不利な条件だとわかっていも、飲まざるを得ない状況」が生まれてしまう可能性もあります。 最初から余剰資金で投資を行っていれば、突発的な事態が起きたときでも、ある程度は手持ちの現金で対応が可能ですし、投資については切り離した上で、冷静に判断できるのではないでしょうか。
■具体的な「余裕資金」とは?
投資の世界で使われる「余裕資金」という言葉についてリサーチしてみると、「たとえ元本割れしても許容できるお金」なんて説明がなされているケースも少なくありません。 とはいえ、ごく普通の生活をしている方にとって「減っても良いお金」など、存在するわけがないのです。「減るリスクを許容するぐらいなら……投資なんてしなくて良い」と考えてしまうのも、ある意味で当然のことだと言えるでしょう。 また「余裕資金で投資をしましょう」と言われると、ある程度の金額を貯蓄として確保した上で、さらに投資資金としてまとまった金額を用意して、投資に臨もう!と考える方も少なくありません。 確かに、世帯状況に応じて、「数か月分の生活費」を確保しておくことは重要なこと。しかしそれ以上の貯蓄のどこからが「余剰資金」としてみなされるのか……実はその境界線は非常に曖昧なものなのです。 だからこそ、どういったお金なら投資に回しても良いのか、自分自身でしっかりと考えることが大切です。 一般的には、以下のようなお金は、投資に回しても良いと考えられています。 ・まだ使うのが先の、教育資金
・将来のために備えている住宅ローン繰り上げ返済費
・老後のために蓄えているお金 使用目的が決まっているお金であっても、「まだまだ使う時期は先」という状況であれば、その間の期間を使って資産運用を行うことが可能です。 長期的な資産運用の場合、「リスクを抑えつつ、ゆっくりと時間をかけて資産を増やしていく」という選択をすることが可能となります。また短期的な運用で損失が出たとしても、その後の時間で挽回していくこともできるはずです。 もしこのようなお金が家計の中で眠っているのであれば、その「眠っている時間」を有効活用する方法についても、積極的に検討してみてください。