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社会人として仕事をこなしていく中で、徐々に責任のある立場を任されるケースも多いことでしょう。ただがむしゃらに自分の仕事を頑張れば良い新人時代とは違い、中堅になれば、中堅ならではの立場で全体を俯瞰(ふかん)する能力も求められます。 職場でさまざまな物事を管理する立場を任されるようになったら、マネジメントについて勉強してみましょう!今自分が何をするべきで、何を大切に考えるべきなのか、見えてくるはずです。 マネジメントの基本と共に、大切なことをわかりやすく教えてくれる良書について紹介します。

 

■マネジメントとは?

自分の下に部下がついたときに、意識するよう求められるのが「マネジメント」です。なんとなくその意味を感じとることはできても……具体的に何をどうするべきなのか、わからない!という方もいるのではないでしょうか。 マネジメントを直訳すると「管理」や「経営」という意味になります。組織全体の目標を設定して、それを達成するために工夫をしたりリスク管理を行ったりすることを言います。 例えば、プロジェクトチーム全体で「プランAの実現」を目標に掲げるのであれば、これを達成するためのさまざまな行動が、マネジメントに当たります。「プランニングが得意なAさんに基本構成をお願いし、営業が得意なBさんにそれを売り込んでもらう!」など、チームに所属するメンバーの適性を活かすことも大切です。また当然、プロジェクトを遂行するためには、さまざまなリスクも付き物です。「ミス予防のためにダブルチェック体制を敷く」といった行動も、マネジメントの一部となります。 組織として何か目標を達成しようとする場合には、このマネジメントが欠かせないもの。しっかりと意識して行動することで、組織が一丸となって、目標達成のために行動できることでしょう。 この「マネジメント」という意識は、アメリカの経営学者であり「経営学の父」とも呼ばれた、P.F.ドラッカーが生み出した概念であると言われています。P.F.ドラッカーが1973年に著した『マネジメント』は、現代においても、「マネジメントの基本を学べる良書」として知られています。

 

■難しい本に抵抗がある方にオススメの本

マネジメントについて非常に多くのことを学べるのが、P.F.ドラッカーの『マネジメント』の魅力です。しかしドラッカーの著書は、素人にとっては難しいポイントも多く「敷居が高い」というイメージがあるのも事実です。 このような場合にオススメなのが、2009年にダイヤモンド社から出版された、岩崎夏海著『もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』です。「もしドラ」という略称で、一気に人気が広まったのを、覚えている方も多いのではないでしょうか。 この物語は、野球部のマネジャーを務めている女子高生がP.F.ドラッカーの『マネジメント』と出会い、その理論を「野球部の変革」のために使おうというもの。 もちろん読んだ人を満足させる物語的な要素も強く、多少大げさに感じるような感動も組み込まれてはいますが、その構成は実にシンプルです。 主人公が「組織」を意識し、マネジメントと出会い、それを実践していきます。部員それぞれの強みを生かし、イノベーションに取り組むことで、着実なステップアップが待っているのです。 「野球部」を「自分自身が所属する組織」に置き換えてみると、マネジメントの本質、そしてそれを取り入れることのメリットがはっきりと見えてくるはずです。