性教育は愛情教育
のじまさんのもとには「これまで子どものしつけや勉強のことで頭がいっぱいだったけど、性教育を通じて、人間の土台となる土壌を育てていくことの大切さに気づいた」という声がたくさん届いているといいます。
「すべてが性教育につながるわけではありませんが、子どもに命のこと、性のことを教えるということは、『生まれてきてくれてありがとう、あなたは大切な子だよ』っていう気持ちを伝えることにつながります。子どもにとって、根本的に自分という人間が愛されていると思えることってすごく大きいんです」
子どもは中学生くらいになると、スポーツや受験、恋愛、自分の容姿のことなど、他者と比較してつまずくことがたくさん出てきます。親から性教育を受けた子は心が折れずに「何があっても自分は大丈夫」「もう一度頑張ってみよう」と立ち上がることができるのです。つまり性教育はレジリエンスが高い子どもを育てることにもつながるのです。
「社会の最小単位である家族がしっかりしていて、愛情をたっぷり注がれた子は、自分に価値がないなんて思うはずがないのです。性教育の中で、性交の話は欠かせませんが、親が本当に伝えたい話はその先にあります。だからこそ、親御さんたちには早くその壁を越えて、その先にある子どもの未来を守る大切な話をしてあげてほしいと思います」