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ずいぶんとよくなってきたとはいえ、現在のような不安定な景気の状態やどんどんと支給年齢の上がっている年金の状態では、老後の生活は不安になってしまいます。 そのため、安心して老後の生活を送るためには貯蓄は不可欠ですよね。ですが、実際にはどの程度必要となるのかが分からなければ、どの程度の貯蓄が必要になるのかはわかりません。老後の生活にはどのくらいのお金が必要になるのでしょうか。

■老後の生活費の平均は27万円

老後の生活費に関しては様々なサイトでも紹介されていますし、いろいろな機関でアンケートによる統計も行われています。 その結果を見ると、大きなばらつきはなく、平均すると27万円前後必要という結果になっています。もちろん、これは持ち家であるか借家であるかでも違ってきますし、どんな生活を送りたいかでも違ってくることになります。 現在の生活で満足しており、そこまでお金はかかっていないというのであれば、平均より低い金額で考えてもよいでしょう。 また、厚生労働省ではモデル世帯を設定しており、その年金額は22万円あまりとなっています。 差額分は毎月貯蓄から切り崩しながら生活していかなければならないということになるので、その分の貯蓄を行っておく必要があるということになります。

■費目別の毎月の生活費

総務省の家計調査では、家庭の支出額の平均が紹介されています。その内訳は、 ・食費 6万6千円


・住居 1万5千円


・水道光熱 1万9千円


・家具、家事 1万2千円


・被服費等 7千円


・保健医療 1万6千円


・交通通信 3万2千円


・教育 1千円


・教養娯楽 2万4千円


・その他 4万6千円


・税金 社会保険料 1万1千円 となっています。千円未満は四捨五入しています。 このように金額で表すことによって、かなりイメージしやすくなるのではないでしょうか。 ですが、これは現在のものですから、将来的には物価も変動するため、この通りではありません。基本的には物価は上昇するものと考えておいたほうがいいかもしれません。 年金が翌年から支給され、その年金をベースに生活をするのであればそれほど大きな違いはないでしょう。ですが、実際には年金が支給されるのは何年後でしょうか。 現在40歳の方であれば、25年後ということになります。25年後に現在の物価のままということは考えにくいですよね。もちろん、生活のスタイルも25年たつとどう変わっているかわからないのです。 物価は上昇しても、年金の額が上昇することはないので、しっかりと考えておかなければなりません。また、年金そのものがどうなっているかというのも考えておく必要があるかもしれません。 年金に関しては状況が良くなっていくとはあまり考えにくいですから、悪くなっていくことを想定しておいたほうがいいかもしれません。

■老後に臨む生活水準を考える

今現在の毎月の生活費であれば、きちんと家計簿をつければある程度把握することはできます。 これは、様々な機関による統計よりもより現実的な数値であるということになります。現在もふたりで生活しているのであればなおさらです。 実際の老後の生活を考える場合、何にいくら使うからどれだけ必要というのはなかなか思い浮かばないのではないでしょうか。 そこで、現在の生活を考えてみるわけです。現在の生活と同じような生活を望むのであれば、現在の生活費をベースに考えることができますよね。 また、多少ゆとりのある生活を考えているのであれば、現在の生活費よりも多めに考えておけばいいわけです。逆に現在よりも質素でいいというのであれば、現在の生活費よりも下げることが可能になるのです。