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投資と聞くと、株式や不動産、また、信託といった資産運用をイメージするのではないでしょうか。ですが、浪費と比較する投資は自己投資のことです。自分の将来のためにお金を使うということですが、投資のつもりであっても実は浪費になっていることもあります。 実際に投資と浪費ではどう違うのでしょうか。その違いがきちんと理解できれば、浪費をせずに投資をすることができるのではないでしょうか。

■投資とは?

まず、投資といってもここでは自己投資のことになりますが、未来の自分に対してお金を使うということです。投資自体の概念は、将来的にお金が増えるものにお金を使うことが投資となります。これは資産運用などで考えてみれば分かりやすいと思います。 ですが、自己投資の場合、その増えるものがお金というわけではありません。それが自分の知識であったり、能力であったりとさまざまです。書籍を購入して読むとします。その書籍にもよりますが、書かれている内容が知識となり、自分の身に付くことになりますよね。この場合は投資ということになります。 また、スポーツジムに通うとします。その場合、自分の体を鍛えることになるわけですから、ちゃんと通って体を鍛えることができれば投資と考えてもよさそうです。 簡単に言えば、支払いに対してそれ以上の効果があったもの、あるものを投資と考えればよいのではないでしょうか。もちろん、投資であったとしても、失敗したというケースもありますから、簡単にそれだけで判断できるわけではありません。

■浪費とは?

浪費は投資とは真逆のものであるということになります。書籍を購入して知識を付けることができれば、それは投資になりますが、何も残らない。また、購入しただけで読んでいない。といった場合、これは浪費ということになります。 スポーツジムでも同じことがいえます。しっかりと運動を行うことで、筋力をつけたり、健康な体を手に入れることができるのですが、さぼったり、だらだらとしていたのでは運動の効果は得られません。 投資の場合と同じように考えるのであれば、支払いに対してそこまでの効果がなかったもの、ないものを浪費と考えればよいのではないでしょうか。ただし、浪費の場合、失敗とか成功といった概念はありませんから、お金を使った時点で浪費と自分で理解しているものは浪費以外にはならないでしょう。

■投資と浪費の違いは考え方や行動次第

投資と浪費は、まず、何に対してお金を使うか。ということで大きく違ってきます。ですが、これは考え方やその後の行動でも変わってきます。同じものにお金を使っても、それを有効活用する場合と、無駄にしてしまうのとでは結果は大きく違ってきます。結果として自分を成長させることができれば、それは自己投資が成功したということになりますよね。 一般的には、同じ本でも参考書等や文学作品であれば、投資と考えることができますが、漫画であれば浪費と考えるでしょう。ですが、参考書等や文学作品であっても自分の実にならなければ結果的には浪費ということになります。逆に漫画の場合、その漫画をきっかけに漫画家として大成したのであれば、浪費ではないのかもしれません。漫画家として大成しなかったとしても、そのために努力をしているのであれば、実にはなっているわけです。 漫画の場合は娯楽作品ととらえがちですが、その人にとっては参考書やバイブルといったものと同等のものになっているわけです。ですから、第三者が判断するのは難しくなります。とはいえ、自分は投資だと思っていても実際は浪費だったというケースも少なくありません。