申し込み時期に注意!逃せばアウトに
注意が必要なのは奨学金の申込みを行う時期です。JASSOの給付型奨学金にしろ、大学の給付型奨学金にしろ、その時期を逃すと奨学金を受けられなくなってしまう可能性が高いことを肝に銘じましょう。
では、申込みの時期はいつなのか。JASSOの給付型奨学金から教えてもらいます。 「JASSOの奨学金の申込み方法は、進学前に、在籍する高校を通して予約して申し込む『予約採用』と、大学進学後に申し込む『在学採用』の2パターンです。ただし給付型奨学金の場合、予約採用でしか申し込めません。高校時代から備えなければならず、大学に進学してからでは遅いのです」
基本的に高校での奨学金の説明会は毎年4~5月にかけて実施。この説明会を逃さないことが何より重要になるといいます。 「給付型奨学金を望むなら、高校3年時に必ずこの説明会に参加して、5~6月頃の予約採用の締め切りまでに申し込むこと。予約採用申込み締め切りは11月頃にもう一回ありますが、このタイミングでは給付型奨学金は申し込めません(ただし、2020年度入学者分は変更される予定なので、高校などに確認する必要あり)」
ちなみに、無利息の第一種奨学金も、給付型奨学金と同様に予約採用で申し込んだほうが借りられるチャンスが広がるため、高校3年の5~7月頃に申し込む必要があります。第一種奨学金の場合、予約採用で申し込めるのは5~7月頃のみ。1回しかチャンスがないので要注意とのことです。
次に大学の給付型奨学金。こちらにも「予約型」があり、このタイプは受験前に予約して申し込む必要があります。 「高校3年秋の出願のタイミングなどに申込み、合格したら支給される仕組みです。予約型は地方出身者を対象にしたものが多く、家計が苦しく、上京をあきらめていた受験生にメリットが大きい制度といえます」
「奨学金は情報収集が一番のキモ」と竹下さん。知らなければ給付型の申し込みを行えず、その恩恵にあやかれません。知っている人だけが得をするということを頭に入れて、情報戦を制しましょう!
※奨学金の情報は2019年2月21日時点のものです。
教えてくれたのは…
ファイナンシャル・プランナー 竹下さくらさん
兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社、生命保険会社勤務を経て、1998年にFPとして独立、現在に至る。「なごみFP事務所」を共同運営。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。二児の母。『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)など著書多数。
取材・文/百瀬康司