日本学生支援機構の給付型を第一に検討

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給付型の奨学金制度はさまざまな機関で実施されています。その代表格である「日本学生支援機構(JASSO)」を第一の検討先として挙げます。 「JASSOでは奨学金制度を大改正した2017年度に給付型の奨学金を新設し、同年度の先行実施を経て2018度から本格実施されました。給付額は国公立大か私立大か、自宅通学か否かによって異なり、月額2~4万円が支給されます」

 

◇JASSO給付型奨学金の支給額

奨学金の表【最新】

 

気になるのは給付型奨学金を受けられるかどうかの要件でしょう。 「基本的には低所得家庭を対象とし、住民税非課税世帯が中心。加えて、学業成績や人となりなどが要件となります。成績優秀者しか受けられないと思われがちですが、成績は必ずしも優秀である必要はなく、概ね満足できるレベルなら問題ありません。重要視されるのは家庭の所得水準と、本人が人物として優れているかどうか。諸条件を調べて申し込めそうなら、お子さんが通う高校の先生に相談してみると良いでしょう」

 

JASSOの給付型奨学金の支給額は2020年4月から拡充される見通し。国公立大は自宅通学なら年35万円、自宅外通学なら年80万円、私立大は自宅通学なら年46万円、自宅外通学なら年91万円と大幅にアップされます。

 

ちなみに、JASSOには“無利息”で借りられる貸与型の奨学金があり、前述した大改正により事実上利用枠を撤廃。「高校の成績が平均35以上」および「年収747万円以下(4人世帯)」という条件を満たせば、原則として申請が下りるようになりました。 「給付型が通らなかった場合、無利息の第一種奨学金を選択するのもひとつの手です」

 

大学独自の給付型奨学金も多数あり

給付型奨学金の第二の検討先は大学になります。各大学では独自に奨学金制度を設けており、「国立大も私立大も、返さなくていい給付型の奨学金の数が近年急増している」という流れなのでチャンス。 「給付金額や募集人数、審査基準(家計基準、学業成績基準)は各大学によって異なります。私立でいえば、年100万円の支給を得られる大学や、1000人規模で広く募集している大学など、充実した内容ものが数多くあります。それでいて家計要件は税込み年収700800万円前後と、JASSOの給付型奨学金よりも緩い基準で利用できるところが大半です。希望する大学のHPなどで詳細を要チェックしてください」

 

私立大学の給付型奨学金の一例