大学進学のための資金が足りないとき、頼みの綱として知られる「奨学金」の制度。私立の大学ともなると4年間の授業料などで大金を必要とするため、奨学金に頼らざるを得ない家庭は多数を占めます。ただ、一歩間違えば子どもに莫大な借金を背負わせ、長年、返還に苦しませることになりかねない。そう考えて躊躇してしまう人が少なくないのではないでしょうか。
返さなくていい「給付型」奨学金が急拡大
「奨学金の制度は使い方によって明暗が分かれます。闇雲に利用したら苦しい現実が子どもに待っていますが、賢く利用すれば親は教育費の負担を大幅に減らせて、子どもに苦労を背負わさずにすむのです」
こう語るのは、『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』の著者で、ファイナンシャル・プランナーの竹下さくらさん。奨学金の仕組みや賢い活用法を詳しく教えてもらいましょう。
まず基本から。奨学金の借り方の選択肢は、大きく「貸与型」と「給付型」に分かれます。前者は借りた学生本人が返還しなければならない奨学金で、後者は返還する必要がない奨学金です。 「注意すべきは当然ながら貸与型のほう。無計画に借りるとあとで重荷となり、苦労するのが目に見えています」
であるなら、返還しなくてもいい給付型を誰もが求めるでしょう。そこで朗報が! 「近年、給付型の奨学金制度が急拡大しています。すべての人が利用できるわけではありませんが、少しでも可能性があるなら申し込んでみるべきです」