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一人きりでいるときや孤独を感じたとき、さみしいと思うものですよね。特に家事や子育てで追われる主婦は一人になる時間も少ないので、余計に一人になったとき孤独に感じてしまうかもしれません。孤独を上手にコントロールできれば、一人の時間も楽しく過ごせることでしょう。

 

孤独は大きく分けると「ソリチュード」と「ロンリネス」の2種類に分けられます。それぞれの意味を紹介していきますので、違いを知ることで孤独から抜け出す参考にしてみてください。

■一人がさみしい「ロンリネス」

日本では孤独という意味の言葉はこれ一つだけですが、英語では「ロンリネス(loneliness)」と「ソリチュード(solitude)」の2つの言葉があります。 両方日本語の意味は孤独という意味になりますが、ロンリネスは日本語の一人ぼっちを意味する孤独そのものを意味します。どちらかというとネガティブな意味が強く、さみしさとか悲しさが言葉に含まれています。

 

ロンリネスを感じている人は友だちがいなかったり、一人でいることがさみしいと感じ、いつも孤独を恐れています。そのため、いつも誰かと一緒にいたいと思い、自分の気持ちを抑えてでも他人に合わせようとします。

 

周りの意見に流されやすく、自分で何も判断することができなくなってしまいます。何をするにも他人の意見を優先させるため、周りからは優柔不断と思われていることもあるでしょう。ロンリネスだと他人と向きあうことも苦手で、何かあっても他人のせいにしがちです。

 

常にトラブルを起こさないよう気を付けているので、少しのトラブルが起きたときに動転してしまい、冷静に対処できないこともあるようです。

 

自分で築いた人間関係に疲れてしまい、一人になりたいと思いながらも一人になる勇気がなく、生きづらい人生を送ってしまうようです。

■孤独力の高い「ソリチュード」

ソリチュードは語源が「solo」になっており、一人を強く意味する孤独になります。つまり、自分から好んで孤独になることで、ロンリネスとは違いさみしさのない孤独を意味しています。

 

ロンリネスとの大きな違いは、自分から一人になりたいと思って孤独になるという点です。孤独の時間を好み、あえて一人になることがソリチュードなのです。

 

ソリチュードはグループの中にいても一人でいてもロンリネスを感じず、むしろ積極的に一人の時間を作りたがります。一人で何もしない時間こそ有意義だと感じ、一人の時間に心と体を癒して自己バランスをとります。

 

一人の時間を積極的に楽しめる人こそ、ソリチュードだといえるでしょう。一人で好きな音楽を聞きながら好きな本を読み、その時間の豊かさに満足します。ソリチュードは孤独でありながら深い喜びと安らぎを感じ、安定感を得られます。

 

ソリチュードは自分の意志を主軸においているので、他人に影響されることも少なく、自分自身の考えで判断し、行動します。トラブルが起きても自分自身で判断できるので、あせることなく落ち着いて対応できます。

 

ソリチュードは一人の時間に自分自身を見つめ直し、自分がどのような人間なのかを客観的に判断しています。自分の行動に間違いはないか自問自答を繰り返し答えを出しているので、自分をコントロールすることができます。

■「ロンリネス」になってしまうのはなぜ?

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ロンリネスになってしまうのは、一人ぼっちになりたくない、周りからどう見られるか気になる、などといった理由も考えられます。

 

最近では「ぼっち」という言葉がありますが、一人ぼっちの略語で、友だちのいない孤独な人のことを意味します。

 

ここではソリチュードの意味ではなく、ロンリネスを意味しています。決して褒め言葉ではなく、自分を卑下するときや相手を蔑むときに使うことが多いのではないでしょうか。

 

もともと日本人はロンリネスになりやすい傾向があります。たとえば会社でランチに行くとき、自分の仕事が忙しくても会社の仲間と一緒に食事に行くのが日本人ですが、外国人は自分の仕事の都合や食べたいものを優先し、一人でランチに出かけます。

 

日本の企業なら後者の社員はコミュニケーション能力が低い、または自分勝手などと評価される可能性がありますが、外資系の会社では後者は自立していると高い評価を受けることも。

 

ロンリネスになってしまうのは、日本のこうした社会的背景も関係しているといえるかも知れません。

■責任感をもつことで「ソリチュード」になれる

ロンリネスは自分と向き合う時間も持たないので、他人の意見に流されやすい傾向があります。しかし結果が良い方向に行かないと、他人のせいにします。他人の意見に同調するということは、自分自身も同意見だということに気付いておらず、責任をなすりつけようとします。

 

ソリチュードは自分の意志で意見を述べて行動するので、全て自己責任だと思っています。失敗しても人のせいにすることはなく、自分に責任があったと自分自身に向きあいます。一人の時間を持ち失敗した理由と対策を考え、そして次の成功へとつなげていきます。

■まとめ

孤独でいることは決してさみしいことではなく、自分自身と向き合える大切な時間です。SNSに向きあっている時間が長い人ほど、ロンリネスである可能性が高いといえます。自分と向き合う時間を作ることで、ロンリネスから抜け出せるかもしれませんね。