129-1

リタイア世代にとってマイホームは購入するのが当たり前でしたが、現役を引退するときには既に築年数も経過しており、古くなった一戸建てをメンテナンスしながら老後を過ごすのは、不安に感じるものです。 都市部で一戸建てを購入できるのはごく一部と言われており、ほとんどの人は郊外に家を建てていますが、周辺環境の施設も不足しており、不便な生活を余儀なくされています。そのため、老後に備えてマンションへの住み替えを検討しているリタイア世代も増えています。 老後はマンションに住み替えたほうが良いのでしょうか。マンションの住み替えのメリット・デメリットについて紹介しますので、今後住み替えをするか迷ったとき、参考にしてみてください。

129-2

■マンションに住み替えるメリット

・利便性が良い 郊外の一戸建てだと、どこに行くにも車や電車などの交通手段が必要になり、移動や外出が面倒に感じます。マンションは立地条件の良い都市部に建てられていることが多く、スーパーやコンビニ、病院や銀行、役場や大型商業施設など、必要なものが全て近くにそろっていますので、どこに行くにも不自由することがありません。また最寄り駅も近いので、移動に困ることもありません。 ・セキュリティ面が優れている 一戸建ては玄関や窓をいくら戸締りしていたとしても、セキュリティは万全といえません。何かあったときは自分で家を守らなくてはならないので、年老いてくると体力にも自信がなくなり、不安に感じることもあります。マンションは24時間管理人が常駐していたり、オートロックが施されていますので、セキュリティ面で心配することはほとんどありません。 ・メンテナンスの必要がない マンションは管理会社にマンションの管理を委託している場合が多いので、廊下や共有部分の清掃やメンテナンスを自分でする必要がありません。また、外装のメンテナンスも修繕積立金で行ってくれますので、わざわざ修理を依頼したり自分でメンテナンスをする必要もありません。 ・近所付き合いをしなくていい 一戸建ての場合、町内会の付き合いや隣近所との付き合いが必要になりますが、マンションは基本的に近所付き合いをする必要がないので、人間関係の煩わしさがありません。マンションで生活している人のほとんどは、近所付き合いをあまり好んでいませんので、隣近所を気にすることなく気楽に生活することがでます。 ・害虫の心配がない 低層階の場合は害虫が入ってくることもありますが、高層階で住む場合は蚊やハエ、アリなどの害虫が侵入してこないので、虫の心配をせず快適に暮らせます。 ・部屋の中も共有部分もバリアフリー 築年数がそれほど経過していないマンションの場合、もともとバリアフリーで設計されていますので、段差に悩まされることがありません。エレベーターもあるので、歩くのが困難になったときでも安心して暮らせます。 ・子どもたちと距離が近くなった 独立した子どもたちが都市部で生活している場合、距離が近くなるので会う頻度も増えてきます。子どもたちも孫を任せられる親が近いと、経済的にも助かることが多いでしょう。

■マンションに住み替えるデメリット

・ランニングコストがかかる 一戸建ては購入してローンが終わればそれ以上支払う必要はありませんが、マンションの場合、管理費や修繕積立費、駐車場代などの維持管理費が必要になります。マンションの規模によっては、毎月数万円必要になりますので、これは大きなデメリットといえるでしょう。 ・上下階や左右の部屋の騒音が気になる 周りの騒音を気にしなくて良い一戸建てと違い、マンションは上下や隣からの騒音がうるさく感じます。自分たちも音を出さないように気を付けなくてはならないので、ストレスに感じてしまう人もいるのではないでしょうか。 ・ペットが飼えない 動物好きな人はペットを飼いたいと思うものですが、動物の飼育を禁止しているマンションも少なくありません。これまでペットを飼い続けてきた人にとっては、マンション暮らしがストレスになってしまうこともあるでしょう。 ・閉じ込められているように感じる 一戸建てに比べるとマンションは狭くなってしまうので、どうしても閉塞感を覚えます。開放感がなく、閉じ込められているように感じてしまいます。 ・部屋の中が暗い マンションの構造上、窓の位置も限られており、部屋に光が入りづらいのがマンションの特徴です。特に北向きの部屋は昼でも暗いので、日中でも電気をつけなければならないことも。 ・外出するのが面倒 一戸建ては玄関を出たらすぐに車に乗って移動することもできますが、マンションは階段やエレベーターを使って駐車場まで移動し、それから移動することになります。エレベーターで下まで降りるという行為が面倒に感じ、外出頻度が減ることも考えられます。 ・相談相手がいない 近所付き合いが少ないのがマンションのメリットでもありますが、一方で災害などのトラブルが起きたとき、助け合う相手や相談する相手がいないことにもなります。また、マンションに対しての不満や疑問があっても、誰にも相談できないこともあるのではないでしょうか。

■まとめ

老後にマンションに住み替えるなら、メリット・デメリットを踏まえた上で検討しなくてはなりません。大きな買い物になりますので、後悔しないようよく考えて購入を考えてくださいね。