旦那さんには伝えたよ(章子さん/33歳/事務員)
私が住んでいる団地は家族間の交流が盛んで、毎年運動会が行われます。今年は5歳になった息子も、かけっこや玉入れにも参加できるようになり、親子で楽しみにしていたんです。連日降り続いた雨の影響を心配していましたが、前日まで中止の連絡がなかったので、私は決行を疑っていませんでした。 当日は曇りでしたが雨は降っていません。仕事で先に出た旦那を見送り、息子に体操服、私はランニングウェアに身を包み、頭にはチームカラーの赤いハチマキを親子で巻いて、意気揚々と家を出ました。 しかし、会場である団地の中心にある公園につくと、町内会の方々が数人で整備をしているではないですか。(あれ?)と思いながら町内会長さんに「おはようございます」と声をかけると、会長さんは不思議そうに「どうしたの?」と聞いてきます。「あの、運動会は…?」と聞くと、「地面がぐちゃぐちゃだから中止だよ、昨日旦那さんに伝えたけど…」と困った表情。
ついさっき。「今日は運動会だから」と言いながら、旦那にお弁当を見せた朝の風景…それを見ながらもなにも言わなかった旦那…そんな光景が脳裏を巡りました。そして誰も来ていないところからすると、中止を知らなかったのはこのマンモス団地で私たち親子だけ。あまりの恥ずかしさと旦那への殺意で、おかしくなりそうでした。