“働き方改革”が叫ばれるようになり、長時間労働に対する風当たりが強くなってきました。しかしそんな時代だからこそ、改めて見直されている“仕事の心構え”があるそう。そこで今回は、多くの一流が実践する仕事の方法をご紹介しましょう。

 

時代に逆行するような“心構え”が再注目されている?


2018年12月放送された『林先生が驚く 初耳学!』(TBS系)では、「最初の2年はとにかく仕事の“量”をこなせ! 量が質を生む」という説を提唱。時代に逆行するような理論を、林修先生が分かりやすく教えてくれました。

 

林先生は、優秀だと思う人にだけ「若い頃に無休で働いた経験はある?」といった質問をすることがあります。すると「この人できる!」と思った人の回答は、これまで全員「YES」だったそう。

 

とはいえ、今の時代では胸を張って推奨できる話とは言えませんよね。ところがここ最近、同様の説を唱える書籍が続々ベストセラーに。「最初の2年はとにかく仕事の“量”をこなせ!」というのも、「ZOZO」の社長・前澤友作さんの右腕として活躍する田端信太郎さんの言葉です。

 

林先生は「今回は誤解を招きやすいテーマ」と前置きし、「ブラック企業を推奨するような内容はカケラもありません」と断言。そこには一体どんな真意があるのでしょうか。

 

最初の2年は労働ではない?


「無駄な下積みを長くやる必要はない」「他人が喜んでお金を払ってくれるレベルまで仕事の本質・中身を高めるには、新人時代に質を追求するのではなく量をこなすことが大切」という林先生。

 

しかしタレントのギャル曽根さんは、「分かるんですけど、2年の下積みって結構辛くないですか?」と疑問を投げかけます。これに対して林先生は、前澤社長の右腕・田端さんの言葉を借りて「下積みの2年は労働じゃない! 学習のための2年」と返答。すると俳優の船越英一郎さんは、「それはそうですね」と深く頷きました。

 

かつて船越さんも、がむしゃらに仕事をしていた時期があったそう。「仕事以外の自分の時間を作るってことは考えてなかった」「ちょっと余裕があればロケ地に先に乗り込んで空気を見て回ったり」と、若い頃の経験を語ります。

 

ここでモデルの山本美月さんは、「でも心が病むくらいまで働く必要はないですよね?」と不安げな表情に。林先生は「そこはもうおっしゃるとおり。決してブラック企業を認めるようなものではない」「『若手は未熟なんだからとにかく働け』という考えを上から押しつけるのはよくない。ただ、下積みの2年ではなく学習の2年」と、あくまで心構えの話ということを念押ししていました。

 

番組を見ていた視聴者からは、「会社側はより良い体制を作っていくべきだけど、社員はこの心構えを忘れてはいけないよね」「簡単に言えば成功したいなら努力しろって話でしょ。世間の風潮が変わろうが絶対に揺るがない真理」「心にグサッとくるね」と共感する声が続出しています。

 

「労働人口の減少」が深刻な日本


今や働き方改革という言葉もかなり広まってきましたが、政府は具体的に何を目指しているのでしょうか。

 

厚生労働省のホームページを見てみると「働く人がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会の実現」と書かれ、大きな柱として「長時間労働を減らす」といった方針も。しかしその裏には、「労働人口の減少」という深刻な問題が隠されています。

 

長時間労働の大きな要因は人材不足。つまり人手さえ足りていれば残業時間は減っていく訳ですが、そもそも簡単に人材確保ができる企業などほとんどありません。そのため主婦や高齢者なども参加できるような、“母数を増やす”体制作りが行われているようですね。

 

今後の社会全体に影響する問題なので、時間をかけて議論していくしかないかもしれません。

 

文/牧野聡子