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結婚すると、何でも一人で決められた独身の頃と違い、二人の将来を考えていろいろなことを決めていかなくてはなりません。お金の使い道はもちろん、万が一のことを考えて保険のことも話し合わなくてはならないでしょう。 しかし既にお互いが保険に加入していると、もしものときは最低限の保障はされると思い、そのまま放置してしまうこともあるようです。 結婚した後に二人の保険を見直す必要はあるのでしょうか? さまざまな事例を元に、保険の見直しについて紹介していきます。

■ライフプランを考えずに保険内容を変更

お互いに共働きだと経済的にも余裕があるため、保障内容の高い保険を選んでしまう人もいるようです。 Aさんは夫との将来を考え、これまで加入していたお互いの保険をより貯蓄性の高い内容の保険に変更しました。死亡保障はもちろん、医療保障も付いている保険なので、毎月の支払額はかなり高額になったようです。しかし貯蓄もできる保険ということで、満足度は高いようでした。 二人とも働いていたので高額な保険代を支払うことに支障はありませんでしたが、子どもができてから保険代の支払いが生活を圧迫するようになりました。 Aさんは子どもができてもすぐに働く予定でしたが、いざ産まれて子育てを始めると想像していた以上に子どもに手がかかり、すぐに復職することができませんでした。 また、二人目の子どもを妊娠したため、復職するのは現実的に難しくなってしまいました。夫の収入だけではこれまでどおりの生活を保つことができず、保険は途中解約することに。 途中解約すると返戻金があったとしても、それまで払い込んできた保険代が無駄になってしまいます。 保険の見直しをする場合、現状だけを考えて保険に加入するのではなく、将来的なライフプランを考えて保険の見直しをしなくてはなりません。 子どもは何人産む予定でいつ頃にするか、子育てに関する費用はどれくらい必要になるかなどを計算しておき、そのときに支払いすることが可能な保険に加入するのが良いでしょう。 後先考えずに保険に加入すると経済的に困窮することが考えられますので、まずは二人のライフプランを練って、それからどんな保険に加入するか決めましょう。

■子どもができてから見直すつもりが……

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Bさんは結婚する前から保険に加入していましたが、独身の頃に加入した保険だったので保障内容は最低限のものだったそうです。 結婚してから夫と保険の話をしましたが、お互いに独身の頃に加入していたので、すぐに保険の見直しは必要ないと二人で判断し、子どもができてから保険を見直すことにしたそうです。 Bさんは結婚してから専業主婦になっていましたが、夫にもしものことがあった場合はすぐに働けば問題ないと考えていました。 しかし夫がいきなり亡くなってしまい、仕事を探すことになりましたが、思うように仕事が見つかりません。今はアルバイトで生計を立てていますが、借りていた家賃を払うだけで精いっぱいで、引っ越ししたくても引っ越し費用を貯められないほど困窮しています。 子どものいない夫婦は大きな保障の保険に加入する必要はありませんが、妻が専業主婦の場合、生活を立て直すための資金分を確保できる保険に夫が加入しておいたほうが良いでしょう。 夫が亡くなっても十分すぎる財力があるなら問題ありませんが、貯蓄額も少なく生活に支障が出てしまうようなら、掛け捨てといわれる保険料の安い定期保険に加入しておくことがオススメです。

■共働きだから大丈夫なはずだったのに

共働きの夫婦の場合、どちらかにもしものことがあっても、どちらかが働くことができるので保険に対してそれほど重要性を感じないこともあるようです。 Cさんの場合、お互いに働いていたので結婚しても保険の見直しをしませんでした。夫は死亡保障と最低限の医療保障の付いた保険に加入していたので、もしものときも大丈夫だろうと思っていたそうですが、夫が癌になってしまい高額な医療費で頭を悩ませることになります。 夫は独身の頃に加入していた保険だったので高度医療に対応しておらず、高額な治療費や入院費で生活が圧迫することに。 夫婦で共働きだと経済的にも余裕があるため、保険の重要性を見逃してしまうことがあります。すぐに退院できるような症状が軽い病気なら良いですが、重度の病気になってしまったり、万が一のことがあったりした場合、すぐにこれまでの生活が破たんすることが考えられます。 お互い働いていたとしても、夫婦で子育てをするのと一人で子育てをするのでは大きく異なります。共働きならどちらかが子どもを見ることもできますが、自分が働いている間は誰かに子どもを頼まなくてはならないので、シッターなどを頼んだ場合、その分だけ費用が必要になります。 共働きの場合、どちらかの収入がなくなったことを考え、収入保障をしてくれる保険への加入を考えて見直しをすると良いでしょう。

■まとめ

結婚後はお互いに働いていたとしても、子どもができたりパートナーに万が一のことが起きることも考えられます。


いざというときのことを考えて、お互いに加入していた保険は見直すようにしたほうが良いでしょう。