最近よく見かける「他害」という言葉は、“他人の心身などを傷つける”という意味合い。そんな他害に悩む母親は少なくないようで、ネット上でも「心が折れそう」「本当に困ってる」と嘆く声が相次いでいます。つい先日も、ある他害にまつわる投稿が話題になりました。
お友達の他害に悩む新米ママの投稿が話題!
今回の相談者は、年少の男の子を育てる新米ママ。最近、同じ幼稚園に通うお友達からの“他害”に悩んでいるといいます。お友達からの他害は、主に叩いたり噛みつくなど。そのお友達は息子さんだけでなく、他の子どもたちにも危害を加えているようです。
しかし息子さんはそのお友達が嫌いではなく、むしろ一緒に遊びたいと思っている様子。他害を除けばお友達も普通にいい子とのことで、彼女は「早く他害が収まって、皆と仲良く遊べたらいいのに…」「普通は何歳くらいで収まるものなの?」「どのような対策をとればいいの?」と悩みを募らせていました。
彼女の相談を受けて、ネット上では「うちの園にもいました」「時々いるよね」など同じ体験をした人からの声が続出。「他害って絶対に何か理由がある」「お母さんや先生が注意してもやめない子は、何歳になってもやめない気がします」といった様々な自論が寄せられています。
他害の対策としてまずは園の先生に相談を
お友達からの他害に悩むお母さんは意外にも多く、「先生に気にかけてもらうしかない」「子どもに嫌だったらちゃんと『やめて』をいうように言い聞かせてる」「遊びたい気持ちも分かるけど、噛んだりするうちはむやみに近づかせません」「何度も続くようなら、直接親に言いに行きます」など何かしらの他害対策を行っているようです。
中には“自分の子どもが他の子に危害を加えて大変だった”という人もおり、「3歳の長男が園で噛みつきをやってしまった」というママからはこんな意見も。彼女の場合は妹が生まれた頃から他害行為が始まったそうで、園の先生から「もしかしたらお兄ちゃんは寂しくてたまらないのかも。一度ギューっと抱きしめてあげて」とアドバイスをもらいました。それからしばらくの間子どもを抱っこしたところ、噛みつきはすっかり治っていたとか。
他にも「他害する子は“噛んだら絶対に勝てる”って学習してるんだって」「もし生まれ持った気質だったら、他害は一生治らないケースがある」といった有益な情報も上がり、いっぽうでは「うちの子はまだ0歳だけど、近い将来こうして加害者になるのが不安」と心配する声もチラホラ見られました。
先生が懸念する“子どもの発育バランス”
子どもの噛みつき・殴り癖に悩んでいるのは、母親だけではありません。味の素株式会社が発表した「最近の子どもの生活態度」に関する調査では、教員200名を対象としたアンケートを実施。3歳の保育園児から小学3年生までの先生が抱く、リアルな本音が明らかになりました。
まずは園児・児童の“心理・精神状態の安定”について尋ねてみたところ、52.5%の教員が以前と比べて「安定していると思わない」と回答。さらにその理由として上げられる行動については、第1位に「落ち着きがない(42.5%)」、第2位は「キレやすい、ぐずりやすいなど感情が抑えられない(40.5%)」、そして第3位には「噛みつく・叩くなど暴力的に振る舞うことが多い(35.0%)」がランクインしています。
ちなみに先生が不安視する子どもの発育バランスは“運動能力”にもあるようで、その理由には「顔からよく転ぶ」「予想外の部位にケガ・骨折をする」「縄跳びができない」などが上げられていました。
他害に悩む人がそう珍しくない今、まずは誰かに相談してみるというのもひとつの手かもしれませんね。
文/牧野聡子