地方の活性化に一役買ってくれる“ふるさと納税”。税金を納められるだけでなく、地方の特産物などが送られてきて至れり尽くせりですよね。そこで今回は、新しいふるさと納税の取り組みをご紹介しましょう。
お金ではなく楽器を寄付するふるさと納税
三重県いなべ市では10月10日から、家庭などで使わなくなった楽器を寄付する「楽器寄附ふるさと納税」の受付を開始しました。寄附者は楽器の査定額分だけ税金控除される、ふるさと納税制度を活用した国内初の取り組みです。
今までのふるさと納税とは違い、楽器は専門業者が査定して寄付者が納得すれば市が買い取るというシステム。実際に買い取りが行われた楽器は市内の中学校に送られます。査定を担当するのは、中古品の売買などを手がける株式会社マーケットエンタープライズ。いなべ市と連携して、「楽器寄附ふるさと納税」の事業が構築されました。
今回の楽器寄附システムは、「ふるさと納税制度を健全に発展させたい」「生まれ育ったまちや応援したいまちに寄附をするという本来の趣旨に沿った」といういなべ市長・日沖靖さんの想い。他にも市立中学校吹奏楽部の慢性的な楽器不足という現実から生み出されました。大切にしてきたモノに思いを込める“寄附文化”の醸成と、感謝の気持や楽器を大切にする“心の教育”。いなべ市では楽器寄附から始め、楽器以外での“物納ふるさと納税”を全国へと広げていくようです。