東京と博多を結ぶ日本の鉄路の大動脈、東海道・山陽新幹線。多くのビジネスパーソンに愛用されていますが、LCC(格安航空会社)よりも高い、という側面もあります。少しでも安く東海道・山陽新幹線を利用する方法はないのでしょうか。
そもそも、東海道・山陽新幹線の料金は?
まず東海道・山陽新幹線のコストを確認しておきましょう。通常期における運賃は以下のとおりです。なお座席はすべて自由席です。
【東京〜】
東京~名古屋:1万360円 東京~新大阪:1万3620円 東京~広島:1万8040円 東京~博多:2万1810円
【新大阪〜】
新大阪~広島:9710円 新大阪~博多:1万4480円
いかがでしょうか。飛行機の場合、東京羽田~大阪伊丹便は早目に購入すると、新幹線よりも値段が安くなります。このように見ていくと、新幹線は決して安い乗り物ではありません。新幹線の唯一の欠点は運賃と言えそうですが、少しでも安く乗れるワザが存在します。
のんびりとこだま号で、「ぷらっとこだま」
数ある節約ワザの中で、最もお得感があるのが「ぷらっとこだま」ではないでしょうか。この切符は各駅停車タイプの「こだま号」のみに乗車できる割引切符です。特徴は東京~新大阪間を1万500円で利用できること。通常料金よりも約4000円も安く、東京羽田~大阪伊丹便よりもお得です。ただし、利用するに当たっていくつか条件があります。下の箇条書きをご覧ください。
- 利用できる区間は東海道新幹線内の指定区間のみ
- 利用できる列車は指定された「こだま号」のみ
- 座席はあらかじめ指定されています
- 購入後の予約変更はできません
時間に余裕があり、確実に指定された「こだま号」に乗るときに「ぷらっとこだま」を利用するといいでしょう。なお、「ぷらっとこだま」はJRの「みどりの窓口」では購入できません。インターネット、電話、もしくはJR東海ツアーズの支店から購入します。
まるで飛行機のような「スーパー早得きっぷ」
山陽新幹線に乗車する際は「スーパー早得きっぷ」がおすすめです。この切符は14日前まで購入できるのがポイント。さらに席数限定、ネットのみの販売となります。これだけの条件があるため、運賃はかなりお得に。
たとえば、新大阪~博多間は約4000円安い1万290円になります。また、九州新幹線も割引が適用されます。ただし、岡山・広島~小倉・博多間は用意されていないのでご注意ください。 「スーパー早得きっぷ」は「のそみ号」にも乗れます。
「こだま号」でもOKという方はさらにお得な「こだまスーパー早得きっぷ」がおすすめ。この切符を使うと新大阪~博多間が何と8500円になります!しかも「ぷらっとこだま」とは異なり、新大阪~博多間を直通する「こだま号」であればどれでもOK。かなり、使い勝手のいい切符といえるでしょう。
なお、東京~山陽新幹線間の早得往復切符は2016年に販売を終了しています。
東京~山陽新幹線で使える「スマートEX」
今まで紹介した割引切符はいずれも「紙」の切符です。「スマートEX」は交通系ICカードを利用した次世代の割引切符。よりお得に、よりスマートに新幹線を利用できます。 「スマートEX」にはさまざまな商品がありますが、最もお得なのが「EX早特21」です。
このサービスは乗車日の21日前に購入することがポイント。「のぞみ号」の普通車指定席を利用でき、最大6名までOKです。料金は以下のとおりです。
東京~名古屋:8800円 東京~新大阪:1万1000円 東京~広島:1万4000円
なお「スマートEX(EX早特21)」でも東京~博多間の設定はありません。東京からですと新山口まで使えます。一方、名古屋~博多間の設定はあります。詳しくは「スマートEX」のホームページをチェックしてください。
「スマートEX」を利用するには交通系ICカード、クレジットカードが必要です。事前登録制になっており、申し込みはパソコン、スマートフォンから可能。「スマートEX」の年会費は無料です。
「スマートEX」の高級版、「EX予約」
「スマートEX」の高級版といえるのが「EX予約」です。「EX予約」と「スマートEX」の違いは年会費。「スマートEX」は無料ですが、「EX予約」は年会費1,080円が必要です。 そのかわり、「スマートEX」よりもお得に新幹線を利用できます。
たとえば、期間限定の「EX早特21 SPECIAL PRICE」を利用すると、東京~新大阪間が10,000円に!しかも「のぞみ号」に乗車できるので、費用対効果は抜群といえるでしょう。
また、定期運賃より3000円以上もお得なので、1回で年会費の元が取れます。 「EX予約」も事前登録が必要です。定期的に東海道・山陽新幹線を利用される方は、ぜひ「EX予約」に入りましょう。
最後に一点だけご注意。正月やお盆のシーズンになると、割引切符が使えないことも。オンシーズンに割引切符を利用するときは、注意事項をきちんと読むことをおすすめします。
文・撮影/新田浩之