妊娠・出産を経て、幸せな赤ちゃんとの生活。しかし想像していた以上に忙しく、気を抜けず、決して楽で穏やかなものではありませんよね。そして、生後6か月前後から、さらにお母さんたちの頭を悩ませるものが……離乳食です。 一回食・二回食・三回食と増やしていく離乳食。だいたい1歳前後までは大人用のごはんとは別にお粥や柔らかいご飯を用意しなければいけなくて、外出先のご飯も前もってリサーチしなくてはいけなくて、ママはほんとうに大変ですよね。 そして、何よりつらいのが、頑張って作っても子どもが全然食べてくれないことが多々あるということです。私も、もともと料理が好きなこともあって、妊娠中から離乳食の本を買って読んで、気合十分で臨みました。しかし、いざ蓋を開けてみると、全く一筋縄ではいきませんでした。一生懸命裏ごしした野菜をひっくり返され、クリスマスに作ったヨーグルトケーキを床に落とされ、かと思えばレトルトのシチューを完食。二回食から三回食に増やすのが面倒になってなかなか三回食を始められず……。娘の姿に一喜一憂の離乳食ライフをわたしも送っておりました。ちなみに、1歳半の七夕に作った天の川そうめんは、一口も食べずに残されました。

画像1

 

憂鬱だった私を救ったInstagram

頑張って作っても全然食べてくれない日がある。一生懸命作った料理を、自分の手でゴミ箱に捨てることになる。その繰り返しは育児において仕方ないことだと頭でわかっていても、とても心がつらくなる体験でした。そんな私がとても救われたのがInstagramでした。料理をアップするアカウントを作成し、うまく作れた日は離乳食の写真をアップするようにしたのです。これが、離乳食づくりが憂鬱だった私にとって、とても精神衛生上よい効果がありました!

                                            

1.いいね!やコメントに励まされる

画像2

なんといっても、いちばん嬉しかったのは「誰かに褒めてもらえる」ということです。赤ちゃんの育児は、ママが孤独を感じる瞬間がたくさんあります。赤ちゃんが何かを飲み込まないように、うつぶせ寝して息苦しくならないように、お風呂で溺れさせないように、などたくさんのことに気をつけながら生活していくことは、簡単なことではありません。 そんななか、Instagramに離乳食をアップして、娘の月齢や育児関連のハッシュタグをつけると、同じような赤ちゃんをもつ人から「いいね」がついたり、「おいしそう!」とコメントがつくことがありました。これは、日々の自分の頑張りが認められたようでとても嬉しいことでした。また、食べてくれなかったことや、育児の難しさやについて投稿に添えると、コメントに「わかる~」とママ友からコメントが。この「自分だけじゃない。みんな同じような悩みを持っている!」という気持ちが孤独を救ってくれました。

 

2.前向きな文章を添えると元気が出る

私はInstagramに離乳食の写真をアップするときに、簡単なメニューの紹介と、工夫した点、娘がどれぐらいよく食べたか、などを文章で添えていました。不思議なことですが、誰かに読んでもらうことを念頭に置いて書いていると、なんとなく前向きな言葉で締めくくろうという気持ちになりました。たとえば、頑張って野菜をみじん切りして作った焼きそばを娘が全然食べてくれなくて残念だった日も、Instagramにアップするときには「こんなに頑張ったのに、全然食べてくれなくてがっかりー!まあでも、そんな日もあるよね。」と書いてみたり。そうすると、文章を書くまではしょんぼりしていた気持ちが、少し晴れやかになることもありました。

 

3.育児記録になる・今後のメニューの参考にも

単純に育児記録になるという点も良いところです。あとで読み返しやすく、どれぐらいの月齢で何を食べていたか、ひと目でわかります。また、料理の写真がずらっと並ぶことで、「私、今まで結構頑張ってきたよね」と実績を感じることができました。 また、毎日の離乳食作りのなかで結構なウェイトを占めるのがメニューを考える作業。何も献立が思いつかないときに、過去の自分の投稿を読み返して、またこれを作ろうと思ってキッチンへ向かう日もよくありました。子どもの食べがよかったものや、簡単に作れたものなどは、簡単なレシピも添えて書いておくのがおすすめです。

4.盛り付けや食器にこだわるなど楽しみが増える

dav
Instagramを始める前と後で、私が一番変わったのは、盛り付けへの意識でした。より美味しく見えるように、より華やかに見えるように、と人参を星型にくり抜いてみたり、かぼちゃサラダを一口サイズに丸めてみたり、と工夫してみました。また、それまでは100均で購入したココットなどを使っていたのが、少し奮発してル・クルーゼの食器を買って茶碗蒸しを使ってみよう、テーブルクロスやウッドトレーなども使ってみようなどキッチンウェアへの興味が広がり、お買い物の楽しみが増えました。

 

誰かに見てもらえたことが自信になる

はじめにも書きましたが、離乳食のつらいところは、頑張って作っても子どもが全然食べてくれない日があることです。せっかくかわいく作った料理なのに、今日もゴミ箱行き。でも、写真を撮って、アップして、誰かの目に触れることで、その辛さは少しだけ緩和されていたように思います。 もちろん、かわいい盛り付けをする一番の目的は子どもが喜んでくれることです。「いいね!」の数よりも、娘の笑顔が何よりの報酬でした。でも、私の離乳食づくりは、それだけではモチベーションを保つことは難しかったでしょう。私と娘以外の誰かに見てもらえていること、娘は全然食べてくれなかったけれど、私がにんじんを星型にくり抜いて盛り付けた努力を今日も誰かが「いいね」と言ってくれていること。それが私の自信になりました。Instagramでのつながりなしでは、きっと娘への食事づくりへのエネルギーは続きませんでした。 孤独な育児中、SNSの力は絶大でした。どうか参考になれば幸いです!

 

CHANTOママライター/

本庄なべ子