皇帝ペンギンの子育て
灰色のふわふわした羽毛で愛らしさを振りまく赤ちゃんペンギン。大人になってもぽってりとした体でペタペタ歩く可愛い姿で見る人を癒してくれますよね。本作では、その見た目からは想像できない過酷な子育ての様子を見ることができます。まず、移動距離がすごいんです。繁殖期になると海から100キロも離れた内陸の氷丘へと移動して行きます。
卵を産んだメスはお腹ペコペコ。エサを求めて海へと向かって行きます。メスが不在の120日もの間、卵を温め続けるのはオスの仕事なのです。卵は足の上に乗せて温めるのですが、母ペンギンから父ペンギンへの受け渡しにも注意が必要なんです。もし、地面に落としてしまったら、20秒で赤ちゃんの命は奪われてしまうのです。受け渡しのシーンは手に汗握ります。
ペンギンの世界で子育てのベテランと新米さんがいるようで、経験の浅い父ペンギンは抱卵に失敗することも珍しくありません。無事卵からヒナがかえっても、敵に襲われる心配があるので、しっかりと守り続けなければなりません。父ペンギンと母ペンギンは交代でヒナを守りながら、海と氷丘の往復を続けます。ヒナを守っている間、自身は絶食状態というのだから、その過酷さ、ハンパないですよね。