地域ごとに決められた冠婚葬祭のルール
地域によっては、「新生活運動」や「生活改善運動」という名目で冠婚葬祭のルールが決められているところがあります。この運動は住人同士の交流の中で負担になってしまうことを簡略化し、不要なトラブルや揉め事を避けるための活動です。
一般的な香典の金額は、5000円から2万円ほど。喪主はその半額ほどの金額を香典返しとするのですが、生活改善運動では香典返しをせずに初めから香典の金額を引き下げるように推奨されています。香典返しの代わりとなる返礼品が用意されている場合もありますが、お茶や粗品といった簡素なものがほとんど。花輪や供物、参列者の食事についても簡略化を薦められていることが多く、親族も参列者も負担が減るため各地方で定着しつつあるようです。
ちなみにこの運動は葬儀だけでなく、結婚式や病気見舞い、その他お祝い事についても取り決めがあります。いずれもお返しやお礼にまつわる決まり事になるので、離れた地域に親戚や友人がいる方はあらかじめ調べておくといいかもしれませんね。
取材・文/牧野聡子