夫婦のキューピッドは、夫の〝冬の恋人〟だった(圭子さん/看護師/38歳)

スキー場でコーチをしていた夫にひと目惚れした私、「スキーの上手い男は5割増し」という〝ゲレンデの魔法〟にかかり自分から告白、5年つき合ってようやくプロポーズされ結婚しました。

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ところが結婚しても定職に就かない夫…冬は出会ったスキー場でアルバイト、春・夏・秋の3シーズンはほとんどニート状態です。惚れた弱みから生活力のない彼を見守り養い続け、3年目に念願の結婚式を挙げることに。もちろん費用はすべて私の貯金です。 式の会場は私たちが出会ったスキー場のホテルでした。ゲレンデに雪が舞うロマンチックな挙式を企画してくれたのは、ホテルでブライダルコーディネーターをしている慶子。彼女はもともと私の高校時代からの友達で、初めてこのスキー場に連れてきてくれた、いわば「ふたりのキューピッド」です。 結婚式前夜、眠れなかった私はあてもなく外を散歩してチャペルへ行き、そこで信じがたい光景を目の当たりにしました。それは私たちが愛を誓うはずの場所で、熱いキスを交わす夫と慶子…あまりのショックに言葉を失い、逃げるようにその場を後にしました。 おそらくこの8年間、慶子は夫の〝冬の恋人〟だったんだと思います。そして、その関係は私が騒がない限り続いてゆく…それがわかっていながら、私はチャペルで見た光景を封印しました。 夫のことは今でも好きだし、妻の座も失いたくない。「大きな裏切りに気づかなかった自分が悪かったのだ」そう言い聞かせて、私は今でも〝3シーズンの夫〟と暮らしています。今年の冬も夫はいつものスキー場へ行き、私のいないところで〝冬の恋人〟と過ごすのでしょう。