500万以上だと結婚に影響
実際に、奨学金が結婚へ及ぼす影響はどれくらいあるのでしょうか。勤労者福祉活動のための中央組織・労働者福祉中央協議会は、2016年に奨学金に関するアンケート調査を実施しています。同調査で「奨学金の返還が生活設計に影響を及ぼしているかどうか」を尋ねたところ、結婚に影響したという回答は31.6%で項目別のトップに。また、正規労働者で500万円以上、非正規労働者で200万円以上の借入れがあると、「結婚に影響した」と答える割合は約半数にまで上昇します。
さらに、同調査では実際に奨学金を借りた人の意見も匿名で掲載。結婚について、「学生時代の同級生と結婚したいが2人とも奨学金を借りており、将来の家計への負担が大きくなると心配している」という不安の声も寄せられました。
しかし、返済に関しては借り入れ側に配慮する制度も存在しています。運営する機構によるものの、奨学金には返還の期限を猶予する「返還猶予制度」というシステムも利用可能。にもかかわらず同調査では、奨学金利用経験者の3割以上が猶予制度の存在を「知らない」と答えています。
ライフプランを思い描くとき、お金をどう使っていくかはとても重大な決断。進学に際しても、よく考えて答えを出すことが大事と言えるでしょう。