12人のキャストの振り切った演技に注目!
世界観もさることながら、この作品をおもしろくしているのは「12人が演じる超個性的なクセものたち」と言っても過言ではありません。役者陣がまさに“振り切った”演技で12人のキャラクターに命を吹き込んでいます。ハマリ役を挙げればキリがありません。
綾野剛はニヤリ顔をしながら、ずる賢さを見せているかと思えば、殺陣のシーンでは、スピーディでキレのある刀さばきで観客を魅了します。豊川悦司は、腹黒さと人を見下す態度で、嫌味な雰囲気を醸し出しているかと思えば、色気ダダ漏れな手つきと、可愛らしいウィンクでハートを打ち抜きます。
浅野忠信は、“見た目”もかなりずるいのですが、そのずるい見た目を超える怪演で、「腹ふり党」元悪徳幹部を演じきっています。超マドンナ的存在の北川景子も、腹ふりをはじめとする奇妙なダンスで新たな一面を見せています。奇想天外な世界観の中では、より一層妖艶さが際立ちます。
強烈キャラの中で埋もれてしまうかも…と心配した染谷将太演じる超ゆとりキャラの孫兵衞は、原作とは違って最後まで物語に絡んできます。しかも終盤では、「お前が持っていくのかよ!」レベルの活躍を見せてくれます。飄々とした風貌で、強烈な印象を残している染谷将太の演技力は、さすがです。さらに、若葉竜也演じる特殊能力を持つオサムというキャラにも注目してください。見た目も原作とはかなり違う描かれ方をしていますが、物語の結末に欠かせない重要な役どころです。